Cult Junk Cafe 「Cult Junk Cafe」(1995)

 混沌ノイズ・バンドの2ndアルバム。コラージュを多用したパルス状の混沌がばらまかれた。大友良英がゲスト。

 シカゴのレーベルGentle Giantから発売。同レーベルからカセットで"Cult Junk Cafe"(1995)をリリース、本盤は翌年にCDで発売された。このほかにGentle Giant主催のコンピ"the miracle of levitation"(1996)に一曲の音源が発表あるが、その後の音盤はなく活動停止のようだ。
 メンバーは日本人がほとんど。だれが主導権かは不明。録音も日本だが、当時はアメリカ人メンバーも日本在住らしき記述を見かけた。

 1stカセットではTV PowのMichael Hartman(ds)とBrent Gutzeit(b)だったが、2ndではGutzeitが抜けて日本人に変わった。Gutzeitはゲスト参加ていど。
 他のメンバーは1stと変わらず全員が日本人。後年MUMUに参加する坂元一孝(key)やミチに参加する角田亜人(tt)など、植村昌弘のファンには顔なじみの人たちがメンバーだった。
 大谷安宏もその界隈か。いわゆるオフサイト系のミュージシャン。その人脈か、大友良英が本盤の7曲と約半数にゲスト参加した。
 一分かそこらの曲が5曲。数分台が4曲。あとの4曲も5~6分程度と長尺でなくサクサクと進む。
 
 サウンドの方向性はスカムなノイズ・インプロ。坂元の鍵盤など流麗な場面もあるけれど、角田のターンテーブルと思しきコラージュを軸に、全員が疾走や混沌を行き来する。アドリブやソロ回しではない。刺激的なノイズを以下にばら撒くか、緩急を効かせるかの丁々発止がポイントだ。
 この方向性は、アメリカだとドラッギーな危うさや、遊びが強い滅茶苦茶さに行きがちだ。けれども本盤は大真面目にスカムへ取り組んでいる。この辺が独特だ。
 
 ノイズの爽快性や破壊衝動とは異なる。抽象的で散発かつ掴みづらい音像が生み出す混沌を志向した。音響的なアプローチではない。断続コラージュが産む跳躍や無秩序さに価値を見出してる。
 しかしスタジオの録音技術に頼らず、ロック的なアンサンブルや生演奏志向が漂うところが特徴。

 つまり瞬発力と、大きな流れの両極端が聴きどころ。構成やアレンジ、フレーズの妙味ではない。何となく始まってくるくると場面が変わる。終わってみて「ああ刺激的だった」って感じられるかどうか。
 
 もしHartmanがリーダーシップならば、極東での奇妙に真面目な価値観と即興の混在を楽しんだのだろう。
 今の耳で聴くと角田や大谷の方向性がいかにも出た、素朴だが勢い一発に留まらない混沌具合が楽しい。大友も当時らしい荒っぽい掻きむしりを痛快に決めている。

Track listing:
1.Morning Train Ritual (Ode to the Japanese Salary Man and Student) (6:31)
2.Eigo ga jozu desu ne Part 1 (1:11)
3.Nyarome from Earth (0:48)
4.114 (3:12)
5.Upper Middle Hometown (2:28)
6.Eigo ga jozu desu ne Part 2 (0:49)
7.Can Jimmy Come Out and Play? (5:36)
8.Genki Drink (1:08)
9.Renalism (6:02)
10.If You Drop Something... (3:44)
11.Return of Nyarome (0:47)
12.Re-entry Permit (2:06)
13.A Man from North (5:25)

Personnel:
Cult Junk Cafe:
吉上恭太: guitar, buzz box
大谷安宏: guitar, sgx 2000
坂元一孝: piano, dx-7
角田亜人: turntables, samples
Michael Hartman: drums

大友良英 (1, 3, 5, 8. 9, 11, 12): hand-made guitar, 6-string bass

Additional sounds by Todd Carter, Brent Gutzeit, and Michael Hartman (4)
Extra junk by Jin Sato, Miyuki Kodama, Junco Okada (7)
Sampled voices by 足立智美 (3, 11), 吉田アミ (3, 9, 11), Rena Kobayashi (9)

Recorded at Earth Studio by Naoaki Kose on February 25, 1996
Mixed at Western Sound Stuidos by Todd Carter and Michael Hartman on March 21-23, 1996

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