Colin Hay 「Man @ Work」(2003)

 何とも解釈に困るレイドバックしたセルフ・カバー作。

 傑作"Company Of Strangers"(2002)から1年、短いペースでリリースはありがたいのだが、何とも困惑したソロ。せっかく充実したサウンドを前作で産んだのに、今回選んだのはアコースティックなメン・アット・ワーク時代の楽曲を中心のセルフ・カバー盤。
 早くも懐古趣味か?それにしては軽すぎる、と素直に受け止められなかった。

 メン・アット・ワークじたいは、96年にヘイとグレッグ・ハムの二人がサポート・メンバーを入れて再結成していた。98年から00年に欧米豪ツアーを行っていたとある。だが00年の欧州ツアーはキャンセルになり、02年にメン・アット・ワークは再び解散。
 その落とし前をヘイなりに自分名義でつけたのか。

 だが本盤のあと4年間、"Are You Lookin' at Me?"(2007)までアルバム・リリースは止まる。再び地道にソロのライブを重ねていたのかもしれない。

 ともあれ、本盤。メン・アット・ワークのヒット曲を中心に、過去のソロから再演が並ぶ。そもそも(1)はリミックス。(8)は再収録のようだ。
 メン・アット・ワークの作品は(2)(3)(7)(10)(11)(13)、ソロの再演が(1)(4)(5)(8)。つまり新曲は(6)(9)(12)と3曲だけ。再演曲はどれも寛いでいるが、オリジナルのスリルを超えてはいない。
 元のアレンジを丁寧になぞった(11)すらも、溌剌さに欠ける。そりゃそうだ、20代の勢いを再現できるわけもないし、意味もない。買った当時は本盤を聴き終わった瞬間、久しぶりにメン・アット・ワークの1stを聴き直したっけ。

 レゲエ調子の(6)は、80年代すなわち往年の豪州ロックの流行りをほうふつとさせる。
 (9)もバック・ビートが効いており、トロピカル寄りだがレゲエに通じる。(12)はアコギで切々と語り掛けるメロウさを持った。エレキギターのダビングが効果的だ。

 なおハムは(13)にてフルートを吹いてゲスト参加してる。
 サウンドの端々にうっすらラテン風味あり。Guillermo Vadalaの起用は妻であるCecilia Noelの人脈か。
 その他の演奏はいちおう、ヘイのバンド・メンバーを中心にキッチリと録音されてはいるのだが。
 ヘイのキャリアではおさまりの悪い一枚。Discogsでの定義のように、オリジナル・アルバムでなく単なる企画盤と取るべきか。

Track listing:
1 Beautiful World (Alternate Mix) 3:40
2 Down Under (Acoustic Version) 3:33
3 Overkill (Acoustic Version) 3:46
4 Storm In My Heart (New Recording) 3:07
5 Looking For Jack (New Recording) 4:05
6 Don't Be Afraid 2:55
7 It's A Mistake (New Recording) 4:45
8 Waiting For My Real Life To Begin (Re-release) 5:44
9 To Have And To Hold 3:27
10 Who Can It Be Now? (Acoustic Version) 3:23
11 Be Good Johnny (New Recording) 3:31
12 Love Is Innocent 4:41
13 Down Under (New Recording) 4:48

Personnel:
Producer - Colin Hay
Vocals, Guitar, Bass, Keyboards - Colin Hay

Bass - Guillermo Vadala (on 6), Jimmy Earl (on 1, 4, 5, 7, 9, 11, 13)
Drums, Percussion, Loops, Recorder - Chad Fischer (on 1, 2, 4, 7, 9, 11, 13)
Guitar - Lyle Workman (on 9), Toshi Yanagi (on 6, 12)
Harmony Vocals, Piano - Cecilia Noel (on 2, 4, 5, 10, 11, 13)
Keyboards - Jeff Babko (on 1, 4, 5, 6, 13)

Drums - Jonathan Dresel (on 5, 6)
Percussion - Luis Conte (on 5)
Flute - Greg Ham (on 13)
Saxophone - Bill Esparza (on 6)
Trombone - Eric Jorgensen (on 6, 13)
Trumpet - Lee Thornburg (on 6), Mario Gonzales (on 13)
Turntables - Andres "Dez" Hernandez (on 13)

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