Colin Hay 「Peaks And Valleys」(1992)

 ファンなら楽しんで聴ける。しかしどうにも物悲しい。低予算なアルバム。

 上にあげたのは再発盤。オリジナルはもっと簡素なデザインと写真だった。ちょっと陽気なポーズの再発盤で、少し本盤のイメージが明るくなった。

 前作"Wayfaring Sons"(1990)でフィドルをフィーチュアした英国風味の傑作ロック・アルバムを作ったのに。レコード会社を変え、二年後にリリースが本盤。いまいち評価されなかったらしい。
 アコギの弾き語りアルバムで方向転換に至った。別にアコギ一本が悪いとは言わない。だが本盤は、少し切ない。メン・アット・ワーク時代からバンド編成へこだわり続けてきたのに。なぜ弾き語りを採用したのか。予算をかけず簡素狙いでは、と思ってしまう。楽曲がいい感じなだけに。

 このアルバムは前作から(7)を再演。そして次のアルバムで(1)(3)をセルフ・カバーした。ぼくはたまたまリアルタイムで本盤を聴いている。会社の売店で日本盤を買ったっけ。
 だからこそ次のアルバムでセルフカバーしたことも含めて、何とも物悲しい途中経過なイメージが、本盤へ沁みついてるのかもしれない。

 楽曲は決して悪くない。もしきっちりとバンド・サウンドで録音されてたら生き生きしてたと思う。ヘイの曲は弾き語りでも成立するが、いがいとシンプルなバンドのアレンジも映えるから。
 
 この盤のアレンジはギターのかき鳴らし。6弦か12弦のアコースティックで。ヘイは特にフレーズを飾らず、コードかちょっとしたフレーズをストロークするに留めてる。
 豪メルボルンのスタジオで録音された。参加ミュージシャンは、姉妹のキャロル・ヘイが数曲でハーモニーをつけたのみ。
 プロデュースもヘイ自身。ミックスでもクレジットされてる。卓操作よりもバランスに口を出したって意味か。
 録音スタッフは地元のエンジニアMartin Pullan。差し向かいであっさり録音したようだ。

 何も予備知識無く聴いたら、デモテープ集と取るだろうか。素朴なフォーク路線と取るだろうか。その後、悠々自適で穏やかだが着実な活動を続けるヘイだが、その分岐点になったようなアルバム。

 そしてヘイはくじけなかった。きっかけは知らない。だが2年後にヘイは自分のレーベルLazy Eyeを立ち上げ"Topanga "(2004)を発表。独立独歩の着実な活動を始めた。

Track listing:
1 Into The Cornfields 3:56
2 She Keeps Me Dreaming 3:47
3 Can't Take This Town 3:25
4 Walk Amongst His Ruins 3:29
5 Hold Onto My Hand 4:54
6 Keep On Walking 2:28
7 Dream On 5:16
8 Boy Boy 2:16
9 Conversation 3:13
10 Melbourne Song 2:44
11 Sometimes I Wish 6:26
12 Go Ask An Old Man 2:54
13 Sea Dogs 3:27

Personnel:
Colin Hay - acoustic guitar, vocals
Carol Hay - vocals (on 1, 10, 11)

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