Acid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O. 「Close Encounters Of The Mutants」(2004)

 あふりらんぽの二人がゲスト合流した、AMT宗家のアルバム。 

 ポーランドのレーベルから発売された。「未知との遭遇」をパロディにしたタイトルで、全6曲入り。
 (1)のザッパを初め、曲名やジャケットもパロディだろう。
 
 エンジニアも含め河端一が仕切り、04年の4~7月にかけ録音された。 
 公式Webによれば3月にUKでコットン・カシノを加えたメンバーでライブ。4月は日本ツアーをAcid Mothers Gongで行い、5月末から6月中旬まで米・加ツアーを宗家の4人で敢行。その合間に録音ということか。
 なおドラム小泉一はこの04年末にAMTを脱退。Uki Eijiに変わる。
 河端、津山、東とあふりらんぽでACID MOTHERS AFRIRAMPOを結成、"We Are Acid Mothers Afrirampo!!"をリリースもこの年だ。

 本盤は即興めいた部分と、きっちり作曲の双方が混ざってる。AMT作品の常で、吉田達也がマスタリングを担当。
 団子気味にみっちり押し込められた中域のいっぽうで、ハイハットやバスドラが明瞭な聴き分けができる音像を作った。

 (1)や(3)はハイテンションなサイケ・ロックがぐいぐい疾走。この辺はリフが明確で作曲の味わい。
 逆に(2)や(4)のトラッド風味な幻想世界は、かなり即興要素が強そう。酩酊感あふれる混沌を理性もって作った。
 (5)はセッション要素が強いかな。骨太なAMT世界が存分に溢れた。

 作曲クレジットでは全員参加でない。(2)(4)を筆頭に基本はあふりらんぽと津山のコンビ、ここへ曲によって併記が加わる。
(1)はAMTの四人。(3)(5)は河端が併記された。(6)はあふりと河端の作と表記。

 とはいえサウンドは宗家印。シンセが飛びかいドラムはテンション上げベースが煽りギターが駆ける。
 あいまに津山のリコーダーにエコーとディレイまみれな、あふりの歌が乗る混沌な路線。
 
 クライマックスは最終曲、20分以上の(6)。(5)の即興疾走なハイテンションからそのままメドレーで、まず河端のハーディ・ガーディが厳かに重たいメロディを提示した。軋むトラッド的なメロディは、これも河端のバイオリンだろうか。充満するフィードバック・ドローンの中で、きりきりとメロディが絡み合いながら平べったく広がる空間を作った。ノーリズム、にて。

 やがておもむろにドラムがフェイド・イン。ギターのフィードバックやハウリングも高らかに轟いた。複数の音が重なり、よじられ、混沌に盛り上がっていく。
 明確な切れ目は無い。じわじわと滑らかにテンションが上がり、気が付くと高揚の波に飲まれてる。痛快だ。
 最後は延々と轟くギターのフィードバック。ぎしぎしとバイオリンが軋み、女性ボーカルが怪しく震える。そしてハーディ・ガーディへ帰還した。このドラマティックな展開もかっこいい。

Track listing:
1 Don't Eat The Yellow Cab 9:34
2 Cosmic XXX Pt.1 2:15
3 Mutant Rock Mumon 9:10
4 Cosmic XXX Pt.2 1:34
5 Drug Magic Woman / Pussy Queen 9:06
6 Kiss In The Dream Wood 22:06

Personnel:
Electric Guitar, Hurdy Gurdy, Violin, Percussion, Performer [Speed Guru], Producer, Engineer, Photography By 河端一
Bass [Monster], Vocals, Recorder [Alto], Performer [Cosmic Joker] :津山篤
Drums, Percussion, Performer [Sleeping Monk] :小泉一
Mastered By 吉田達也
Synthesizer, Electric Guitar, Performer [Dancin' King] :東洋之

With
Vocals オニ, ピカ宙☆

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