X - X Section (1991:Extereme)

 音響やテクノ・ミニマル系の前衛音楽コンピにメルツバウが参加した。

 以下の公式ページによると、カナダの本レーベルから作品をリリース済み/予定なミュージシャンを集めた、サンプラー的なコンピとある。オーストラリアのレーベルだが、自国に拘らず英独米日と世界各国から音源を集めている。
 http://extrememusic.com.au/catalog/XCD-010/
 それなりに流通したのか、CDでもさほどプレミア無し。MP3なら今でも容易に入手が可能。
 

 収録したメルツバウの"Hiturbo No.4"は、当時だと本盤でしか聴けない新曲だった。
 のちにこういったコンピへ提供作品を集めた2010年の編集盤3枚組"Another Merzbow Records"に再録されている。

 本盤へ参加ミュージシャンで今も著名はまず、ジム・オルーク。21歳と若い時期の作品になる。(9)のムスリムガーゼも多作で有名な電子音楽家。99年に37歳で病没している。
 上記ページにミュージシャンの略歴が掲載あるが、若手から実績あるノイジシャンまで幅広い選択のようだ。

 ハーシュよりもメカニカルな電子音楽、よりインダストリアルな力強い音像が詰まった印象を受けた。機械仕掛け一辺倒でなく、(4)のようなミュージック・コンクレート、ポップな(5)、アンビエントっぽい(10)もあり。オルークの(11)はドローンが響く。曲ごとにさまざまな音楽性を聴けた。

 クラシックの堅苦しい立ち位置でなく、もっとノイズ寄りのアプローチが基本。ただしちょっと単調かな。退廃的な危うさも全編で漂う。
 全体のトラック・リストは後述。ここではメルツバウのみ感想を書いてみる。

12. Merzbow Hiturbo No.4 4:00

 短いコラージュがせわしなく立ち上り、ぐっとハーシュの海に沈んだ。一息ついて素早い脈動から炸裂に。本盤で唯一の明確なハーシュ・ノイズ路線である。どことなく音が詰まって、掘削する一直線な推進力を持った、。
 "Hiturbo"が何を意味するかは不明。Hiturboと題された他のメルツバウ曲も、ぱっと出てこない。未発表曲シリーズでNo.1~3まであるのか、"Hiturbo No.4"まで含めて一つの意味かはわからない。

 最後は回転するノイズが高まり、すこし人間臭さを漂わせて呆気なく消えた。

Track listing:
1. Shinjuku Thief Graven Image 3:30
2. Peter Appleton Water Rises 4:20
3. Paul Schutze Dead Heart 6:16
4. C-Schulz Firn 4:22
5. Ian Eccles-Smith The Slaughtering Eye 5:06
6. Richard Vojlay All Passion Spent 6:20
7. Tenebrae Sprawl Mercs Pay Out 3:40
8. Andrew Chalk Ora 3:58
9. Muslimgauze Shiva 6:54
10. Christoph Heemann A Shellweed Dream 7:17
11. Jim O'Rourke Far Along A Vacant Sea 5:02
12. Merzbow Hiturbo No.4 4:00

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