ソニー・ロリンズ"薔薇の肖像"

原題は"Old Flames"(1993)。邦題「薔薇の肖像」なのはジャケットで薔薇をあしらってるせいだろう。ソニー・ロリンズのリーダー作。

スタンダード6曲、とロリンズのオリジナルが1曲。冒頭と最後のスタンダード曲は、ジミー・ヒースがアレンジしたホーン・アンサンブルが加わり豪華なムードを演出した。

他のコンボ編成はtsにtb/p/b/dsの変則クインテット。柔らかそうなリードの音色のテナーを、ボーンが支えるアレンジを採用した。
なんでトロンボーン?と思ったら。Clifton Andersonはロリンズの甥だった。本盤では一人前扱いはされず、ソロはほぼ無し。テーマのカウンターメロディに徹してる。

冒頭から華やかな金管のオケっぽい響きがゴージャスさを煽り、逆にメゲるが。
すぐにロリンズの長尺ソロが入り、サウンドを引き締めた。

ロリンズのソロはテクニックひけらかしとは無縁。滑らかにメロディを紡ぐ。ずるっとした音色はビブラート効かせ、ふくよかに歌い上げた。旋律を変奏するさまは、想像以上にのめり込んだ。(1)の後半で無伴奏に吹くテナーは、恐ろしくドライで枯れている。
他の楽曲でもロリンズのアドリブ・センスは光る。(4)でのノイズ交じりの音色を駆使したソロっぷりは、フリーな奔放さすらもチラり伺わせた。

フラナガンも安定したアドリブでロリンズを盛り立てる。型からずれそうで、はみ出ないロリンズと対照的に、徹頭徹尾、甘く柔らかい世界をピアノは紡ぐ。

ディジョネットのドラムって、こんな手数少なかったっけ?テナーから溢れさすメロディを簡素に支えるリズムだ。ただし普通に刻まず、はたき込むようなパターンを頻繁に入れてリズムを複雑に揺さぶる。ランニングせずメロディアスなベースパターンと併せ、ちょっとひねった。
だからこそオーソドックスなテナーやピアノのアドリブが引き立つ。

スリルとは無縁。しかし寛ぎつつ、ソロの音使いには耳をそばだてる。単なるBGMジャズに堕さない、ベテランならではの味を見せた。ロリンズの代表作とは言わないが、好盤だ。サックスとピアノ二人のソロは長めにスペースが置かれ、せわしなく無いのも良い。


[Musician]
Tenor Saxophone– Sonny Rollins
Bass– Bob Cranshaw
Drums – Jack DeJohnette
Piano – Tommy Flanagan
Trombone – Clifton Anderson
Flugelhorn – Byron Stripling (tracks: 1, 7), Jon Faddis (tracks: 1, 7)
French Horn – Alex Brofsky (tracks: 1, 7)
Tuba – Bob Stewart (tracks: 1, 7)
関連記事

コメント

非公開コメント