TZ 7515:Doug Wieselman "Dimly Lit"(2003)

 ほんのり寂し気、しかし凛々しさや矜持を忘れない。そんな背中に一本筋が通った律義さと、うっすら滲む切なさが持ち味に聴こえる。

 96-02年にかけて作曲し、色々な映画音楽で提供した作品集。実際には使われなかったものもあるという。メロディにはほんのりクレヅマーの香りが。映画として要求されたのかもしれないし、彼本人の持ち味かもしれぬ。

 クロノジカルもしくは作品順ではない。曲目はバラバラに配置され、一つのアルバムとして聴きやすいように再構成された。
 24曲目以外は彼の作曲で、24はSamuel CohenとNaftali Herz Imberが作曲のカバー。

 提供した映画はクレジットで細かく明記されている。クレジット順に並べよう。
1)Jonathan Harris監督"The Long Way Home" :Tracks 3, 7, 9, 11, 12, 14, 15, 18, 21, 24 & 25
2)Bliss Kolb監督"Buttrayed" :Tracks 8, 10 & 23
3)Linda Rabiet監督"Strays" :Tracks 4, 5, 13 & 19
4)Yaël Bitton監督"Not For Sale" :Tracks 1, 17, 20 & 22
5)Shoshana Perry監督"Down To Earth" :Track 6
6)PBS向"Art 21" :Tracks 16, 26(実際は両曲とも使われず)
7)Robert Woodruff監督の芝居"The Comedy Of Errors" :Track 2

 楽曲の編成はまちまちで、コンボ編成からギターや小物の多重録音まである。Doug Wieselman自身はギタリストとしてほぼ全曲に参加。曲によっては木管やパーカッションも自分で演奏した。
 上記で言うと4)~6)が彼の多重録音のみで構成されている。

 あくまでも映画音楽であり、むやみに音楽は自己主張しない。けれども単独で聴ける強度を音楽は十分に備えてる。
 ゆったりしたムードとモノトーンな暗い色合いで、どの曲もしっとりと音が配置された。静かな夜のBGMにぴったり。

 なおWieselman自身のソロ作は数枚と多くないが、演奏参加では100枚以上のリリースあり。NYダウンタウン・シーンの一員として活動してきたようだ。TZADIKでも15枚ほど参加アルバムあるし、ジョン・ゾーンがらみではKnitting Factoryから95年に出たコブラの盤にもクレジットあり。
 Bill Frisell"Before We Were Born"(1989)ではバリトン・サックス、Yo La Tengo"They Shoot, We Score"(2008)ではクラリネットを吹き、木管奏者としても活躍してる。

Track listing:
1 Bicycle 0:41
2 B.P. 2 2:21
3 Theme F 2:12
4 Opening 1:04
5 Tango 1:48
6 Block Dance 2:37
7 Theme H 1:27
8 The Girl In The Booth 2:48
9 Eretz 1:08
10 The Vision 2:37
11 Road 1:29
12 Exodus 3 0:54
13 Dog Run 1:24
14 Waltz 2:31
15 Bells And Balalaika 2:03
16 Andrea 2:14
17 Garden 1:32
18 Song 1:34
19 Window 0:26
20 Crane 1:15
21 Limbo 1:15
22 Cinder Block 1:39
23 Man Theme 1:53
24 Hatikva 3:44
25 Shadows 3:10
26 Louise 1 0:51

Personnel:
Doug Wieselman: guitars, woodwinds, percussion, samples, drums, harmonica,etc
Anthony Coleman (3,25): piano
Trevor Dunn (3,14): bass
Jim Pugliese (3,14): drums
Charles Burnham (2): violin
Jane Scarpantoni (2): cello
Jon Birdsong (2): tuba
Don Falzone (4,5,13,19): bass
Jenny Scheinman (4,5,13,19): violin
Ted Reichman (4,5,13,19): accordion

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