Marcus Klossek Electric Trio 「Swirlin' Times」(2015)

 ほんのりカントリー・タッチで、穏やかなエレキギター・トリオ。

 ドイツのギタリスト、マルクス・クロセックの2ndにしてバンド名義では初のアルバムが本作。音だけ聴いてるとビル・フリゼールに影響受けたアメリカの田舎ギタリストかと思った。熱いハードバップやスイングより、もう少しブルーグラスやアメリカのジャム・バンドみたいな埃っぽさを志向したサウンドになってる。

 6はホーギー・カーマイケルのカバーで、後はすべてクロセックのオリジナル。エレキギターは基本的にブライトな音色を使い、柔らかくメロディアスなタッチでアドリブを紡ぐ。歪んだ音色を使う場合も、鋭さは控えめ。
 
 本盤はギターが主役の、オーソドックスなジャズ。ベースやドラムにソロのスペースはさほど渡さず、サクサクと曲を進めていく。ほとんどの曲がスタンダードのような優しく包むメロディ。どこかで聴いたような親しみある旋律ばかり。ギター・ソロのフレーズを追ってて、ふっと「何の曲から引用だっけ?」と考えてしまう。

 ミドル・テンポからスローが中心で、テクニックはひけらかさない。寛ぎのジャズを狙ってるようだ。とはいえBGM路線ほど個性を消してはいないけど。
 ただしテクニックはとても上手く、安定感あるギターだ。

 2014年10月23,24日の二日間でベルリンにてサクッと録音された。ジョン・ゾーンのラウンジ系ジャズ的な文脈でも聴けるが、あれほどの緊張感は無い。それなりに演奏はタイトながら、もう少し砕けてる。

 サイドメンの二人はそれなりに参加アルバムがあるドイツのミュージシャン。地元の仲間かな。着実なプレイで、柔らかく支えた。
ベースは確実に音を置いていき、ドラムも手数は少なめながら時々、自由なフィルをふわりと撒いた。

 本盤のPVとライブ動画を貼っておこう。ただしこのライブ動画は2012年の演奏で、ドラマーがSascha Bachmann。本盤に参加とメンバーが違う。要はこの盤、この何年か地道に活動を続けながらアンサンブルを煮詰め、メンバーも選定しておもむろにリリースしたっぽい。
 

Track listing:
1 Swirl 3:45
2 Polymer Beach 4:14
3 Bronc Buster And The Painted Ladies 5:35
4 Miss Tahiti Never Lies 4:41
5 By Hook Or Crook 5:04
6 Up A Lazy River 4:52
7 One Step Beyond Happiness 4:22
8 Dilemmas Don't Solve Easily 4:52
9 No Reason For A Lovebird To Die 5:49
10 All Along My Razor-Edge 4:48
11 By Night 3:14

Personnel:
Acoustic Guitar, Electric Guitar – Marcus Klossek
Bass – Roland Fidezius
Drums – Philipp Bernhardt

Engineer – Tito Knapp
Mixed By, Mastered By – Marcus Klossek, Tito Knapp
Written-By, Arranged By – Marcus Klossek (tracks: 1 to 5, 7 to 11)

Recorded October 23 & 24, 2014 at Zentri.Fuge Studio, Berlin DE.
Mixed and mastered November 2014 at Zentri.Fuge Studio, Berlin.

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