ZZ Top 「Afterburner」(1985)

 そしてやりすぎなエレクトロ導入が本作。加減ってものがあるだろよ。

 前作"Eliminator"(1983)に続き、シンセを導入だが。(1)の冒頭からDX7の硬いデジタル・シンセ音、サンプリングのオーケストラ・ヒット。ドラムはエレクトリックで全般的にカチカチの音に仕上がった。時代だねぇ。
 復活を遂げるほど前作が売れて、調子に乗ったのが伺える。ただし、これが時代の音でもあった。(2)は分厚いシンセが思い切りリフを弾く。ギターのほうが裏方っぽい。スティクスやヨーロッパじゃないんだからさ。

 プロデュースはずっと変わらぬBill Ham。誰か止めてやれよ、と思うが仲間内で作っただけにやりすぎを気にしなかったのかも。
 逆に根底は変わってない。それが救い。産業ロックに身を売った盤だが、そもそも彼らは求道的なブルーズ・ロックでもない。ヒット狙いは間違ってないし、実際に本盤も爆売れの結果を出した。

 前作はシンセ導入の新機軸と遠慮深さが、時代を超えた普遍性と聴き手の歴史やタイミングで評価の変わる、骨太で多面的な魅力を持つ盤だった。本盤はいわば、時代の流行りに乗って本質をぶれさせないまま暴れた狂い咲きのような盤だ。

 楽曲はむしろ売れ線ハードロック寄りに集められた。電化ドラムの堅苦しさは、打ち込みをあからさまに出さないぶん、まだまし。とはいえリズム・ボックスっぽい響きがそこかしこに轟く。ベースも鍵盤っぽいなあ。ビリー・ギボンズのギターだけが、狭苦しいスペースでアナログ的な存在を主張した。
 でもライブで映えそうなダイナミズムはきっちり残ってる。それが本盤の救い。

 とにかく本盤は猛烈に売れた。とはいえ当時、まともに聴きはしなかった。最近になってだ、ZZ TOPに興味持ったのも。
 シングルは7曲、(1)~(5),(8)。(1)が特にヒットした。とにかく当時のマーケティング戦略にばっちり応えたアルバムだ。

 当時のツアーの様子は、と検索したらWikiにまとめがあった。
https://en.wikipedia.org/wiki/Afterburner_World_Tour
 本盤発売の2ヶ月後、85年12月2日のトロントを皮切りにカナダ巡業がスタート。
5回のレグで北米、全世界とツアーを繰り返して終わりは87年3月21日。だいたいスタジアム級でこなしてる。

 1年4ヵ月かけて全部で187公演かな。さすがのバンドはパワフルなスケジュールだ。
 セットリストは1,4,5,8と4曲を本盤から取り上げた。19曲の中でだから、いい感じの配分ではなかろうか。

Track listing:
1 Sleeping Bag 4:02
2 Stages 3:32
3 Woke Up With Wood 3:45
4 Rough Boy 4:50
5 Can't Stop Rockin' 3:01
6 Planet Of Women 4:04
7 I Got The Message 3:27
8 Velcro Fly 3:29
9 Dipping Low (In The Lap Of Luxury) 3:11
10 Delirious 3:41

Personnel:
Billy Gibbons - guitar, lead (1-4, 6-9) and backing vocals
Dusty Hill - bass guitar, backing and lead (5, 10) vocals, keyboards
Frank Beard - drums

関連記事

コメント

非公開コメント