Alex Isley 「Luxury」(2015)

 簡素で平板なグルーヴィさを滲ませるエレクトロ・ポップ。

 アレックス・アイズレーはアイズレー・ブラザーズのジミヘン風味ギタリストなアーニー・アイズレーの娘。自主製作DLアルバム"DreamsInAnalog"(2013)につぐ2ndアルバムが本盤となる。なお間にDL EP"The LOVE/ART MEMOIRS"(2012)もリリースあり。
 DL盤はどちらもここで落とせる。http://lovealexisley.com/music/

 今回のアルバムもデジタルのみ。しかしBandcampやAmazonで配信の手法を取った。上記のEP盤と曲のダブりは無く、本盤は完全新作となる。
 彼女の音楽は本盤で初めて聴いたが、予想以上にさらっとしてた。ソウルフルさはあえて抑え、むしろエレクトロ・ポップな立ち位置だ。今の流行りも踏まえた上だろうし、そもそもソウルとはあまり無縁の音楽性みたい。

 演奏はすべてアレックスの打ち込み。弦のみ外部に任せてダビングした。プロデュースや弦も含むアレンジはすべてアレックス。もちろん作曲も。とはいえDTMが一般化した今では、さほど目立ったアプローチでもない。残念ながら。

 歌はささやきかけるようなタイプで、ピッチはきれいに仕上がった。すこしオートチューンで弄った硬質さはある。メロディも柔らかく耳ざわりは良い。
 ただ、さほどキャッチーさに拘泥なさそう。むしろ聴きやすくくつろげるクワイエット・ストーム路線っぽい。アーニーの娘ってことでファンキーさを期待したが、あまりにするすると音楽が耳から零れ落ちる。繰り返し聴いても印象に残りづらい。

 決してやっつけではない。リズムの工夫やフックあるメロディを多重ボーカルで包んで彩り良く仕上げる試みもそこかしこに感じられた。でも、なんだかもどかしい。
 リード・シングルは(2)や(6)のようだ。PVは見当たらず。

 一曲選ぶなら(6)かなあ。下からむっくり滲むようなリフレイン。指鳴らしのサンプリングをスネア替わりに使い、おしとやかなポップスを静かに提示した。

 ただしいちおう、最後まで聴いて欲しい。R&B歌モノのアルバム構成は、冒頭に派手な曲を並べて後半はバラードでしっとり、がセオリーだと思ってる。でも本盤は終盤へ行くにつれ、ちょっと楽曲の強度が増す。
 柔らかなタッチは変わらないけれど、歌の響きやアレンジの具合が、少しだけ。

 ネットには彼女が歌う動画もいくつか上がってる。それなりに癖のない歌い方。だがじんわりとグルーヴはある。あえて本盤は抑える方向に気取ったか。
 




Track listing:
1.Luxury (the intro) 03:06
2.La Brea 05:33
3.Everest (interlude) 01:47
4.It's You 03:58
5.String Of Pearls 03:55
6.Inevitable 02:56
7.Loss For Words 05:23
8.Grown (interlude w/ Kenyon Dixon) 02:21
9.ICYMI 04:24
10.Go For Gold (the outro) 02:32

Personnel:
All music written, produced & arranged by ALEX ISLEY, except where noted otherwise.

LUXURY INTRO strings:
RHEA FOWLER (1st Violin)
SIMONE DELEON-PINA (2nd Violin)
BRYAN GONZALEZ (Viola)
JENNIFER LI (Cello)

(string arrangement by Alex Isley)

GROWN INTERLUDE:
Additional vocals & arrangement by KENYON DIXON

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