TZ 7144:Tim Sparks "Tanz"(2000)

 抜群のアコギ演奏と柔軟なリズム隊の追加で、噛みしめて滲む味の濃い演奏を楽しめる。

 1st"Neshamah"(1999)に続く、ユダヤ民族音楽集の第二弾。今度はジョン・ゾーンゆかりのメンバーな、MASADAつながりのグレッグ・コーエン(b)と、様々なユニットでTZADIKと縁の深いシロ・バチスタ(per)を加えた。ゾーンの提案らしい。
 この盤をきっかけに本編成はバンド的な位置づけとなりTZADIKより編成拡大版で、"At the Rebbe’s Table"(2002)、同じ編成で"Little Princess"(2009)

 アコギ一本でも十分に豊潤さを出せるティム・スパークスだが、アンサンブル化することでグルーヴィさはさらに増した。なお録音は00年6月4日のみ。その割に、ギター独奏曲も本盤には入ってる。弾き分けたということか。
 なおこのスタジオはフォー・シーズンズが録音に使った場所らしい。ジャケットにはスパークスのサンクス・コメントがあり「ジョン・ゾーンが奏者の気持ちを上げるべく、"ラグ・ドール"のフレーズを挿入した」とある。口ずさみでもしたのかな。

 本アルバムでは交互に独奏と合奏が現れた。
完全にバンド演奏に雪崩れず、スパークスは独奏のバリエーションとしてコンボ編成を位置づけ、あくまで自分のギターの幅広さをきっちりアピールした。
 もっともそこに嫌味は全くない。むしろ独奏と合奏の違いを楽しめて良い。

 全編を覆うのはカントリー風味。メロディのエキゾティックさや切なさよりも、素朴なギターの響きにカントリーさを感じた。さらにコーエンやバチスタが加わると、いわゆるゾーンのラウンジ風味も加味されて、別の意味で洗練された穏やかな完成度が高まる。

 確かなテクニックと芳醇なアドリブの完成度は、前作よりさらに上がっている。

   
Track listing:
1. Wie Bist Die Gewesen Vor Prohibition?
2. Min Khatrat
3. Bolgarskii Zhok
4. Araber Tanz
5. Dos Oybershte Fun Shtoysl
6. Der Terk In America
7. Fufzhen Yahr Fon Der Heim Awek
8. Kurdish Dance
9. Aji Tu Yorma?
10. Tanst, Tanst Yidelekh
11. Gut Morgn
12. Ayumati Te’Orer Hayeshenim

Personnel:
Cyro Baptista: Percussion
Greg Cohen: Bass
Tim Sparks: Guitar

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