King 「We Are King」(2016)

 単純なグルーヴとは少し違う、浮遊する多重録音を駆使した幻想性が魅力。

 2011年にEP"The Story"を発表でデビュー、1stアルバムが本作。Amazon MP3で"Story"も変えるが楽曲は本盤収録と同じ。ただしテイクが異なり、アルバムではエクステンド・ミックスを収録した。
 

 女性三人組グループだが、歌だけでなく基本はすべて自分でこなしてしまう。
 本盤でも楽曲は三人の自作。メンバーのParis Strotherが特にキーマンらしい。プロデュース、楽器演奏、エンジニア、録音でクレジットあり。スタジオはLAにあるKing Creative Studiosと記載だが、もしかしたら宅録かもしれない。
 ダビングは数曲のストリングス、ギター、ホーン隊くらい。この自主製作センスも含めて、プリンスは気に入り前座に採用したのかも。

 打ち込みビートを踏まえたサウンドは、ボリュームを上げるほど映える気がする。ミックスの問題か、小さな音ではこじんまり。だが音量上げたら芳醇でねっとり広がるみっちり詰まった音像が広がった。
 
 派手なメロディやパンチ力あるアレンジで盛り上げるタイプではない。じわじわとソフトだがふくよかに弾む柔らかさが魅力だ。シンセを主体のきらびやかなアレンジは、プリンスの影響受けた流れに思える。
 その強引さの無い仕上がりが、あまり明確さの無い色合いになったとも言えるが。

 とはいえアレンジと一体になった三人のコーラスが、絡み合って高まるさまに気づくとハマる。演奏も細かく積み重ねられ、伴奏でなく総力戦で楽曲を盛り上げる。どういうアイディアだろう。まだうまく彼女らの手腕を、言葉で表現できない。

 淑やかに響く和音、上品に弾む音世界。繊細で精妙だ。しかも、背後にファンクネスを感じる。テンポの速い遅いは関係ない。寛ぎではなく、ジワッとうねるグルーヴが背後に潜んでる。

 個々の楽曲はアレンジを変えていながらも、質感が似通っている。もう少し聴きこんだら、また感想が変わりそう。

 (6)(7)(12)でオフィシャルのPVあり。
  

 ライブ動画にも事欠かない。いくつか貼っておこう。アコースティックなアレンジだと彼女らの繊細さが引き立つ。
 最後の動画は音質、画像ともに悪いが。現時点で新曲"Run Away"を演奏風景で、16年10月22日、Charlotteでのライブ動画。
   


Track listing:
1 The Right One 4:46
2 The Greatest 3:15
3 Red Eye 4:38
4 Supernatural (Extended Mix) 6:45
5 Love Song 3:41
6 In The Meantime 4:36
7 Carry On 3:53
8 Mister Chameleon 3:35
9 Hey (Extended Mix) 6:36
10 Oh, Please! 4:51
11 The Story (Extended Mix) 5:13
12 Native Land 5:40

Personnel:
King:Amber Strother, Anita Bias, Paris Strother

Written-By - Amber Strother, Anita Bias, Paris Strother
Producer, Instruments - Paris Strother
Engineer, Recorded By - Paris Strother
Mixed By - Neal Pogue
Guitar - Kyle Bolden (tracks: 1, 3, 7, 9, 10)
Horns - The Regiment Horns (tracks: 4, 9, 10)
Recorded By [Horns] - Nathaniel Alford (tracks: 4)
Recorded By [Lead Vocals] - Morris Hayes (tracks: 4), Nathaniel Alford (tracks: 9)
Strings - Thomas Lea (tracks: 3, 4, 6)
Vocals - King , Stanley Randolph (tracks: 10)
Recorded at King Creative Studios, Los Angeles, CA.

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