Gallant 「Ology」(2016)

 カチコチのナイーブさが耳に残った。アレンジがオーバー・プロデュースいまいち。

 ガラントはメイランド州コロンビア出身の黒人シンガー。本盤がデビュー作になる。音楽を勉強のためLAへ2013年に移り、14年にEP盤"Zebra"を自主製作で発表し、レコード会社と契約、本盤に至った。


 ファルセットを使いこなす、線の細いしなやかな歌声がガラントの特徴だ。本盤収録の16曲は共作が2曲あるけれど、基本は自作。作曲もこなせるシンガーである。
 マーヴィン・ゲイ直結のセクシーさと、危ういナイーブさの双方が持ち味か。オラつかず穏やかなイメージがある。

 本来、ぼくが好きなタイプの音楽だが・・・どうにもアレンジのエレクトロ・ポップ風味が馴染めない。無念。
 演奏はほとんどの曲でプロデュースも務めるSTiNTがあらかた鍵盤周りを録音し、打ち込みやギターなどでゲストを招く手法のようだ。
 なお(6)(9)(12)(15)は別のミュージシャンを立てた。この辺の非統一っぷりが煮え切らない。ガラントがセルフ・プロデュースした、次作以降のリリースを待とうか。

 STiNTはカナダ出身のプロデューサーで、元の名義はAjay Bhattacharyya。カナダ出身でData Romanceってデュオでアルバム"Other"(2012)を発表、プロデューサー業に転身したらしい。Discogsには15~16年で約10作の製作を手掛けている。
https://www.discogs.com/ja/artist/3900196-Stint?filter_anv=0&subtype=Production&type=Credits

 STiNTが本来好むアプローチはよく知らない。だが少なくとも本盤ではUKソウルのような硬質さとねっとり漂う鍵盤を主流に配置した。ぼくが大好きなシンガー、イーフレイム・ルイスの後継かと期待したが・・・それとは明確に違う。この盤は、妙に演奏の比重が高く、ボーカルが埋もれている。

 ガラントはハイトーンや裏声をきれいに響かせるが、地声も行ける。歌手として多彩なアプローチを持っている。
 ファルセットのままシャウトする喉の強さもあるようだ。優男でなくパワーも滲ませた。

 しかし本盤はきれいで硬質な鍵盤が、歌声を強引に塗りつぶした。ミックスもかちかちに硬く、隙や余裕を見せない。機械仕掛けの堅苦しさがある。
 今の時代、アコースティックは流行らないのかもしれないが・・・。なんとも味気ない。
 楽曲は意外と耳へ馴染むので、もう少し我慢して何回か聴いてみるかなあ。
 
Track listing:
1 First
2 Talking To Myself
3 Shotgun
4 Bourbon
5 Bone + Tissue
6 Oh, Universe
7 Weight In Gold
8 Episode
9 Miyazaki
10 Counting
11 Persogesic
12 Jupiter
13 Open Up
14 Skipping Stones (ft.Jhené Aiko)
15 Chandra
16 Last
17 [Hidden Track]

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