Dionne Warwick 「Why We Sing」(2008)

 企画盤でワンショット契約の行脚は続く。前作より2年ぶり、Rhinoと契約の本盤は、ゴスペル。

 ええっと、セプター・レーベルでディオンヌが個性を出そうとあがいてた時代に、ルーツ探しっぽく、唐突なリリースなゴスペルの盤、The Drinkard Singersとの"The Magic of Believing"(1968)ぶりか。
 デュエットが3曲。(2)ではワイナンズのBeBe Winansと、(9)は身内のDee Dee Warwickと。(12)の相方、David ElliottはSSWかな。経歴がよくわからない。
 ゴスペル繋がり。前作のアルバムにつながる、デュエットにこだわった・・・ではなく、中途半端な話題作りっぽく見えてしまう。

 クワイアっぽい曲調をコンボ編成でまとめた。多少バラエティさを意識もしてるが、基本の曲調はずらさない。絶叫やコール&レスポンスで盛り上げず、あくまで自分を主役に歌い上げた。
 こじんまりした教会でスケール大きく歌ってるようなアルバム。前作に比べディオンヌの声はいい感じで出てる気がするけれど、老いの衰えはやはり漂う。

 これもやはり、いいとこ探しな聴き方になってしまう。スリルは無いけれど、手堅く甘く敬虔で大人な雰囲気のアルバムにはなっている。
 キリスト教徒でないぼくは、ゴスペルの盤を聴く場合は異文化に対するパワーやスリル、ゆるぎなき整いっぷりなどを求めてしまう。
 すなわち本来、音楽に求められる聴き方とは違う。祝祭感やしとやかな情感、安定や寛ぎを求めるならば、本盤は悪くないのかもしれない。

 (2)(3)(5)がBB・ワイナンズの曲。(9)はカーク・フランクリンの曲。(12)は共演相手なデーモン・エリオットの曲。
 伝統歌に頼らず、新しい曲を歌ってはいる。けれどもトラッドも取り上げており、企画盤めいた色合いが抜けない。

 ディオンヌのアルバムである必然性に欠ける。あまりメロディを崩し倒さず、素直に歌った。歌手として歌っただけ。破綻は無いが、語り継ぎたくなる独自性を追いもしない。
 淡々と、ゴスペル・アルバムを歌った。老いて脂っこさが消えたか。それがディオンヌの生涯を通したスタンスかもしれない。

Track listing:
1. Battle Hymn Of The Republic 2:48
2. I'm Going Up 3:36
3. With All My Heart 5:02
4. Old Landmark 4:15
5. The World Needs Jesus 4:55
6. I Lift My Heart 5:25
7. Jesus Loves Me 4:04
8. Show Me The Way 4:21
9. Why We Sing 5:23
10. Rise, Shine And Give God The Glory 4:37
11. The Lord Is My Shepherd 4:40
12. Seven 4:24

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