Schoolyard (1990)【Prince未発表曲】

 果てしなく展開を続ける、アイディアに満ちた楽曲。

 時間にして4分くらい。基本となるフレーズやイメージは変わらない。けれどもどんどんと曲が着地点を匂わせず展開していく。
 録音はロンドン。"Diamonds And Pearls"の時期に出たアウトテイク。この盤では東京やロンドンなど、ツアー先でプリンスは録音を試みた。気分転換かもしれない。実際この曲は、90年12月に編まれた2回目の曲順では"Diamonds And Pearls"に収録予定だった。翌91年3月の選曲で落ちてしまったが。

 流出した音源はリズミックなセッションを素材に、あちこちにダビングが施された。ロージー・ゲインズとプリンス自身の多重ハーモニーがぺったり貼り付けられた。ちょっと転調したり、ワンコードで突き進んだり。色合いそのものはぶれさせないが、平歌とサビみたいな単純構成で終わらない。

 ホーン隊っぽい響きはシンセだろうか。冒頭のフレージングはどこかで聴いたようなプリンス節。サビの響きはのちの"New World"(1995)に繋がりそう。過去のプリンスと未来へのアイディアが混ざる一里塚みたいな曲だ。実際、旅の途中みたいに楽曲は全く立ち止まらない。

 小気味よく歯切れ良いメロディ・ラインをプリンスは多重ボーカルで歌う。明るく軽やかなビートは"Graffiti Bridge"あたりの陽気さもうっすらあり。
 ファンキーなホーン隊を駆使したゴージャスな音楽にも、打ち込み中心の密室なアレンジでも、どちらも行ける可能性を秘めた楽曲。
 ほんとうにプリンスの頭の中では、いったいどれほどたくさんの音楽が流れていたのだろう。

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