Dionne Warwick 「Sings Cole Porter」(1990)

 慌てて企画盤に走ったか。いきなり対象世代を変え、コール・ポーターのソングブックときた。

 前作から3年の間隔をあけた29thソロはジャズ世代狙い。おそらく前作のあと、地道にライブを重ねマーケティングの結果と思うが。実際は全米155位と振るわず。しかもWikiによると以降のアルバムがチャートに上がることはなかった。

 プロデューサーはベテランのアリフ・マーディン。ジャジーなR&B路線狙いかな。ミュージシャンは多数参加してビッグバンドで盛り上げた。ストリングスも盛大に鳴り、50年代なら流行ったろう。さらに打ち込みでのタイトな現代風トラックも使って、現代との接点も残した。

 朗々と歌い上げるテクニックは、確かにディオンヌにある。楽曲の確かさも良い。けれど、少しばかり時代錯誤では。ジャズ専門のボーカリストが、おもむろにでかい予算かけてオケをバックに歌うなら、わかる。
 ポピュラー界隈を進んだディオンヌがこの路線は、上がり目指した最後の花火にしか見えない。ラスベガスのショーで稼ぐ方向性、とか。
 
 音楽的に新しいことを、特段やってない。スキャットや崩しもなくまっとうにメロディを紡ぐディオンヌのスタイルは評価する。歌はうまいよ。サウンドに特段の瑕疵もない。でも、それだけかな。
 落ち目になったとき、初めてトータル性のあるオリジナル・アルバムを作るとは。皮肉なものだ。

Track listing:
1. Night And Day 3:39
2. I Love Paris 3:27
3. I Get A Kick Out Of You 3:53
4. What Is This Thing Called Love? / So In Love (Medley) 3:18
5. You're The Top 3:25
6. I've Got You Under My Skin 3:38
7. Begin The Beguine 5:18
8. It's All Right With Me 4:37
9. Anything Goes 2:37
10. All Of You 3:20
11. I Concentrate On You 3:26
12. Just One Of Those Things 3:31
13. Night And Day (Jazz Version) 4:13

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