Dionne Warwick 「Friends」(1985)

 特大ヒットを含むバブリーなプロダクションで、ぐんとバカラック色が戻った一枚。

 27thソロの本作は、全米No.1を(1)に配置した。率直なところ、これがディオンヌの曲である必然性は無い。スティーヴィー・ワンダー、エルトン・ジョン、グラディス・ナイトとの合唱で、誰がリーダーでもいい。楽曲はバカラックだし。
 もっともスティーヴィーとエルトンが自分名義のアルバムに入れるとは考えづらいが。というかディオンヌが人のふんどしで相撲とったと思う。
 元はエイズ基金のチャリティ・シングル。それを自分名義のアルバムに入れるかね。

 (1)はバカラックと当時の妻キャロル・ベイヤー・セイガーの曲。もとは映画"Night Shift"用に、ロッド・スチュワートが歌ったという。知らなかった。ロッドはソロ・アルバム"Body Wishes"(1983)に収録。意外と節回しを崩して歌ってた。
  

 ディオンヌの本盤は、前作に続きプロデューサーが乱立。
 バカラックとセイガーが1, 6, 7, 9, 10の5曲を担当。スティーヴィーは(5)を提供しており、プロデュースも務めた。さらに(2)(3)がAlbhy Galuten、(4)がデヴィッド・フォスター、(8)が前作に続きバリー・マニロウと、豪華だがとりとめもない。バカラックの復帰を素直に喜ぶべきか。

 フォスターは自分のシンフォニックなパワー・ポップ路線を崩さないし、スティーヴィーも相手に曲調を合わせる気はなさそうだ。(5)はまさにスティーヴィーの曲を、そのままディオンヌが歌ってるような感じがする。ただし、さすがに歌のうまさ。癖のない素直な風景を作る、いい仕事をした。

 (6)以降、すなわちB面はバカラック曲が並ぶ。しかし途中の(8)でNarada Michael Waldenらの非自作曲を入れる気弱さは、バカラックの意思か。なぜトータルでディオンヌをプロデュースしてくれないのか。
 楽曲も今一つ。(1)に和音感やテイストがよく似た(6)や(8)、妙にパワーポップな(7)。往年のロマンティックさをうっすら漂わす程度の(10)など、ピリッとしない。
 というか(8)ってそのまま(1)じゃないの?

 ともかく本盤はアメリカでゴールドまでの売り上げは確保した。このあと、じわじわとディオンヌはチャートを騒がせない方向へ向かってしまう。

Track listing:
1. That's What Friends Are For 4:14
2. Whisper In The Dark 4:31
3. Remember Your Heart 3:41
4. Love At Second Sight 4:39
5. Moments Aren't Moments 4:32
6. Stronger Than Before 3:23
7. Stay Devoted 3:32
8. No One There (To Sing Me A Love Song) 4:26
9. How Long? 4:07
10. Extravagant Gestures 4:52

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