Company 「Company 1」(1976)

 抽象的で刺激ある即興を追求したデレク・ベイリーのユニットが発表した1st。

 インカス・レーベルはイギリスで70年に発足したレーベル。デレク・ベイリー、トニー・オクスレイ、エヴァン・パーカーの即興奏者3人が立ち上げた。グルーヴとは別ベクトルのフリー・ジャズを追求するレーベル、のイメージ。紆余曲折はあったろうが、今に至るまで存続させる持続ぶりは驚嘆する。

 本盤はその中で、76年に発足したユニット。メンバーは固定させず内外国のミュージシャンを招き、即興追及の方式を取ったようだ。一番わかりやすくインカスのコンセプトを体現してるのかな、と想像して今回聴いてみた。

 Companyは1~5まで77年に次々リリースされた。その5枚すべてに参加したのはデレク・ベイリーのみ、あとのミュージシャンはまちまち。メンバー固定で煮詰めるより、拡大する方向性が志向か。

 タイトルは後付けの適当なもので、演奏はすべて即興。核となるベイリーをもとに、とっつき悪く冷徹で自由なインプロだ。
 細かく言うと、エヴァン・パーカー、デレク・ベイリー、マルテン・アルテナ、トリスタン・ホイジンガの順で各曲のプロデューサーを持ちまわってる。
 そして残りの三人に演奏してもらう趣向。例えば(1)ではパーカーが参加無し、ってこと。

 リズム楽器を外し、小節線はほとんどあいまいになった。微妙に各曲でニュアンスが違う気はするけれど、基本は疾走と探り合いの緩急がポイントだ。
 アルコでベースとチェロが暴れるざらついたシーツの上で、断片的なフレーズをばらまく構図が象徴的な音像か。ベイリーはもちろん、パーカーはフレーズが断片的だ。
 
 パーカーは倍音をふんだんにサックスから絞り出す。いななき、もしくはさえずりって言葉を連想した。メロディを回避し高速の唸りは音列でなく、音の上下だ。
 ベイリーがプロデュースした(2)でこの音像が特に明確化する。キューや段取りはたぶんないと思うのだが。

 B面はアルテナもしくはホイジンガが抜けるため、低音楽器もスピーディに動く。したがって、ちょっとせわしない。しかし疾走しっぱなしでなく、緩急効かせる流れをちぐはぐさ無しにつなげる手腕は、それぞれが百戦錬磨ためか。

 自分が目立ちたいって駆け引きや、予定調和で収める小ズルさは感じない。思うままに音を繰り出し、隙間や間合いで微妙にそれぞれを尊重しあっている。そういうバランス感覚を滲ませる点では、本盤は非常にバンド的だな。

Track listing:
A1. No South 10:16
A2. No North 8:18
B1. No East 10:26
B2. No West 10:01

Personnel;
Bass - Maarten van Regteren Altena
Cello - Tristan Honsinger
Electric Guitar, Acoustic Guitar - Derek Bailey
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone - Evan Parker

Recorded 9 May 1976 at Riverside Studios London.

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