Company 91 「Volume 3」(1994)

 欧州風味の即興ライブへジョン・ゾーンが参入したライブ盤3タイトルの1枚。

 カンパニーは欧州即興シーンの重鎮、デレク・ベイリーらインカス勢が76年に結成した。メンバーは流動的で、Discogsによれば77年から78年にLP8枚、その後も89年までに数枚のアルバムを残している。さらに99年にも2枚組のCDあり。バンド名が普通のため、タイトルで検索しづらい・・・。Amazonでざっと見たところ、今は2枚だけパッとヒットした。
 

 本盤はその合間、94年に出た3タイトル中の1枚。91年に5日間連続のインプロ系ライブ・セッションが行われ、順列組み合わせで様々なメンバーが参加した。
 ものすごく大まかにいうと、インカス勢にジョン・ゾーンやバケットヘッドなどアメリカ勢が加わったかたち。
 ライブの全貌は不明だが、5日間の音源を二日間ぐらいづつで区切ってCD3枚にまとめた編集だ。本盤は金曜と土曜のライブをまとめた。デレク・ベイリーのライナーによると、ビジュアル的な面白さも踏まえ追体験は困難だが、と編んだのが本盤らしい。

 曲はすべて即興。名前の頭文字で出演者を表現した。本盤は全9曲入り。別に平等に順列組み合わせではなさそう。
 デレク・ベイリー以外にイギリス出身がPaul Rogers、Pat Thomas、Vanessa Mackness。ドイツからPaul Lovens、フランスからYves Robert、ルーマニアからAlexander Balanescu、アメリカからジョン・ゾーン。さまざまな地域、それぞれのキャリアなミュージシャンを呼び、多彩さを演出した。

 本シリーズ他の2枚でもゾーンは数曲で参加してるが、未聴で委細は不明。少なくと本盤hでは、出演の面ではずいぶん一杯参加している。なにせ9曲中6曲にクレジットあり。
 バンド的な集団即興でなく、数人に絞って音の個性を明確にするアプローチを取った。
 
 演奏は総じて自分の手数をいかに表現し、釣られずに対話するがテーマ。観客の笑い声が聞こえるあたり、何か奇妙な仕草をしながらかもしれない。
 ゾーンはキイキイとハイトーンで音を軋ませる。
 
 無機質なグルーヴしないフレーズが淡々と流れる。時にスリリング、もしくは弛緩と個性やノリによって雰囲気はだいぶ違てくる。手数に甘えず、緊張した手腕で応じるあたり、どのミュージシャンも謙虚に本盤を楽しんだ。
 個性がつかめるほど聴きこめば、また違う地平が本盤から見えてくるはず。

 とりとめない即興のため、集中力ないと聴くのはしんどかろう。
 起承転結やメリハリ、奏者の平等性などはあまり意識せず、その場の流れで淡々とインプロが紡がれる。

 ヴァネッサのボイスやゾーンのサックス、ベイリーのギターが入ると特徴ある音型が産まれる分、わかりやすい「前衛の即興」になる。
 しかしむしろ涼やかに音を絡ませ合う(4)が凄みあって面白い。ちりちりとスリルある大暴れな(8)も賑やかでいい。
 エレキギターの対比、弾きまくるバケットヘッドとロングトーンで応える(9)は、たしかに濃密で刺激的だ。
 
Track listing:
1. JZ/YR part 1 8:32
2. JZ/YR part 2 5:50
3. VM/AB/PL/PT 9:25
4. PT/PR/BK 6:12
5. DB/AB/YR/JZ/VM part 1 6:02
6. DB/AB/YR/JZ/VM part 2 2:09
7. DB/AB/YR/JZ/VM part 3 6:28
8. PL/YR/PR/JZ 10:57
9. BK/DB 12:32

Personnel:
Alto Saxophone - John Zorn
Bass - Paul Rogers
Electronics, Keyboards - Pat Thomas
Guitar - Buckethead, Derek Bailey
Percussion - Paul Lovens
Trombone - Yves Robert
Violin - Alexander Balanescu
Voice - Vanessa Mackness

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