Dionne Warwick 「How Many Times Can We Say Goodbye」(1983)

 今度は打ち込み風ソウルか・・・ディオンヌが安っぽくなってしまった。迷走は続く。

 80年代流行りサウンドの導入は、ベテランには厳しい風潮だ。アルバム後半は生演奏を生かしたアレンジで、ちょっと大人目線。すこし出来は盛り返した。

 25thアルバムはルーサー・ヴァンドロスがプロデューサー。前作からちょうど一年後に発売された。
 歌唱力に頼りサウンドの独自性イメージを、バカラックに任せたつけが来た。なんでも歌いこなし、どんどん個性が薄まっていく。ディオンヌがこんなのまで歌うんだ、って意外性も無ければ、ディオンヌである必然性もない。なのにそれなりに歌はまとまってしまう。
 特に(1)や(3)のべったり塗りつぶすアレンジと、ハーモニーに囲まれて窮屈な立ち位置で歌うディオンヌの方向性にげっそりした。
 他はメロウなソウル路線で悪くない。なお(4)でヴァンドロスとデュエットした。

 (4)と(6)~(8)を除き、ヴァンドロスが作曲に係わった。(7)は元ドゥービー・ブラザーズで甘味担当のマイケル・マクドナルド。(8)はゴフィン&キングのカバー。白人マーケット狙いだなあ。

 そして(6)はディオンヌの自作。初めてじゃない?キャリアを重ねたここに来て。
 きれいで弾んだメロディを聴かせる。まっとうなソウル。ぱあっと歌い上げる旋律の跳躍から、和音転換で鮮やかさもあり。すごい達者だ。
 いいじゃん。こんな才能、あったんだ。決してSSWがえらいとは言わないが、自分でもメロディ作れるなら、それに越したことはない。ディオンヌへの見方が変わった曲。

 (8)は狙いすぎてパンチ力がなくなった。ディオンヌの歌い上げるカタルシスになっており、この曲をカバーする説得力に欠ける。他の良いメロディなら何でもいいんじゃない?
 さりげなくコーラスと歌い継ぎ、穏やかなゴスペル風のアレンジは耳を惹いたが。

 アルバムは売らんかな、の(1)や(3)なエレクトロ・ビートが、思い切り古びてる。
 その2曲を飛ばして、しとやかな大人のソウル・アルバム路線に集中すると、意外と普遍性を持った仕上がりだ。特に(6)の自作は収穫。

Track listing:
1. Got A Date
2. So Amazing
3. Do It 'Cause I Like It
4. How Many Times Can We Say Goodbye (Duet with Luther Vandross)
5. What Can A Miracle Do
6. Two Ships Passing In The Night
7. I Can Let Go Now
8. Will You Still Love Me Tomorrow


Producer:Luther Vandross

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