Dionne Warwick 「Friends in Love」(1982)

 いくぶん若者寄り。マーケット全面展開は保守派の大人だけでなく、少し目線を下げた。

 24thソロの本作はネバダ州のライブ盤2枚組"Hot! Live and Otherwise"(1981)を挟み、順調なリリース・ペースで82年に発売された。
 プロデューサーはAOR路線でジェイ・グレイドンを起用。楽曲はさまざまなものを集めたソング・ブック。こだわりない。ディオンヌはどれも上手く歌いこなすが、音楽的に特異性は見出しづらい。

 収録曲で目立つのは、ウェイル=マンの新曲な(3)。翌年にセルジオ・メンデスでヒットする。ディオンヌはシングルを切らず、これを生かしきれなかった。良いメロディだ。ディオンヌは手堅く仕上げたかな。
 スティーヴィ・ワンダーが(8)を提供、ピアノも弾いている。コーラスがスティーヴィーの節回しそのままが面白い。メロディも彼の節回しがたっぷり出てる。

 話題性って意味では(2)(7)でジョニー・マチスとデュエット。ティーン向けポップスにとどまらず、ジャズも行けるっていうディオンヌの幅広さを表現が狙いか。
 さらに懐メロ路線で Skip Scarborough 76年の(4)と、スタイリスティックス 72年の(5)をカバー。あらゆる世代にアピールを図った。

 ジェイ・グレイドンが仕切った上で、大まか2種類のセッション形態だ。細かくここでは記入しないが、Discogsのこのページに曲ごとのクレジット記載あり。
https://www.discogs.com/ja/Dionne-Warwick-Friends-In-Love/release/2453761

 スティーブ・ガッドやデヴィッド・フォスターが参加した東海岸セッションと、TOTO組を中心の西海岸セッションが収められた。マイク、ジェフ・ポーカロ兄弟やスティーブ・ルカサーなどが参加してる。
 さらにアルバム終盤で、マイケル・オマーティアンも加わった西海岸寄りセッションも。これにピアノがデヴィッド・フォスターって曲もあるので、バンド的でなくあちこちでダビングを重ねたのかもしれない。

 マイケル・オマーティアンはセールス的に失敗したワーナーの最終作"Love at First Sight"のプロデューサーだが、あの盤も方向性は本盤と一緒だ。

 いいミュージシャンを集め、きちんとした作曲家や過去のヒット作の名曲を並べ、デュエットなどで話題性も作る。王道マーケティングとアイディアをきちんと盛り込んだ。
 作りも別に手を抜いてない。丁寧だと思う。だが、それだけ。音楽的にはあまりピンとこない。曲が悪くもないし、ディオンヌの歌も劣化していない。

 全米で20万枚をさばいた。チャートは88位。アリスタは売れ行きが物足りなかったのだろう。
 本盤から半年後と短いペースで、次の25thアルバム"Heartbreaker"を発売に至る。そしてこれは、全米25位。アメリカでゴールド、イギリスでプラチナムとしっかり売り上げの結果を残すに至る。

Track listing:
1. For You 4:55
2. Friends In Love 4:02
3. Never Gonna Let You Go 4:50
4. Can't Hide Love 4:50
5. Betcha By Golly Wow 3:28
6. More Than Fascination 4:02
7. Got You Where I Want You 3:38
8. With A Touch 4:40
9. What Is This 3:58
10. A Love So Right 3:55


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