N.W.A 「Straight Outta Compton」(1988)

 歌詞の内容は知らん。軽快でファンキーなトラックに惚れた。

 ヒップホップはリアルタイムで楽しめたはずなのに、全く素通りしてきたジャンルだ。思春期のころ、今でも語り継がれる名盤が色々出てたのに。このころはオールディーズに興味が行っており、まるで聴いてこなかった。惜しい話だ。ヒップホップほど、リアルタイム性が生きるジャンルはないだろうに。

 黒人音楽に興味あったため、多少はヒップホップの盤を聴いた。何枚かは買ったが、手放しちゃった。今でも記憶に残ってるジャケットで、誰の何だかわかんない盤もある。
 当時の興味はサンプリングの手法とスピーディなノリ。歌詞は昔も今も興味ないが、溜めやフロウみたいな妙味はさっぱり理解できておらず。
 ウータンなんてデビュー直後からほぼリアルタイムで聴いてきたのに、P-Funk的なワサワサ感のみ期待して、ずいぶん遠回りしてた。今になって「オルはかっこいいなー」なんぞと思い始めてる。なんなんだ。

 ここ数年、ようやくヒップホップの楽しみ方に変化が自分の中で出てきた。いやはや新鮮。昔聴いた盤、今聴く盤。色々と違う魅力が出てきた。きっかけは菊地成孔のジャズ・ドミュニスターズや彼のラジオ番組を聴いたせい。フロウや揺らぎの妙味がなんか、わかってきた気がする。

 前置きが長くなった。N.W.Aの1stにして名盤と名高い作品。95年くらいに聴いた気がするが、手元に盤が無いので手放してしまったんだろう。
 
 今回久しぶりに聴き返したが、その軽快さにびっくりした。歌詞の過激性とかは知らない。けれどブレイクビーツながらファンキーで生バンドみたいなノリがかっこよく感じた。
 なんだろう。低音が効いてないせいか。ダルく引きずる感じが薄いためか。サンプリングのセンスがファンキー寄りで、シンセのミニマルなループが無いせいか。
 歯切れよく畳みかけるラップとあいまって、すごく明るい盤に聴こえた。歌詞を聞いてないせいだが。

 N.W.Aはアイス・キューブやドクター・ドレーが在籍したドリーム・チームともいえるユニット。3枚しかアルバムを残さなかった。
 この1stがとりわけ、評価高いようだ。

 使われたサンプリングの一覧はWikiに詳しい。70年代ソウルの連打に加え、80年代ヒップホップのサンプリングもありが目立つ。
 すっきりしたトラックづくりはドクター・ドレーとDJ.イェラのプロデュース。リズムをくっきり強調し、詰め込まず涼しいスピード感を出した。ギャングスタ・ラップの凄みより、ヘルシーなムードさえトラックだけからは滲む。迫力でねじ伏せず、軽快で明るいビートでクールさを演出した。
サウンドの流行り?録音技術の都合?こういう時代性がピンとこない。リアルタイムで追いかけなかった弱みだ。

 ラップはメンバー全員がすべてのトラックに登場せず、入れ代わり立ち代わり。この辺の微妙な中の悪さっぽいとこも今ではすっきり聴ける。個性が際立つ。やさぐれもコケ脅しも無く、するするとスピーディに言葉がリズムで跳ねた。
 拍頭を外したり、奇数連符で揺らすとこもあるけれど、基本はインテンポでラップは畳みかけた。

 いまだに歌詞を追ってないのだが、むしろそのほうが本盤楽しめるのかも。いや、それはないか。けれど意味も分からず軽快なビートとドスを利かせぬラップを楽しむ、今の立ち位置も悪くない。

  

 映画もまだ、見てないんだよな。
  

Track listing:
1. Straight Outta Compton 4:18
2. Fuck tha Police 5:46
3. Gangsta Gangsta 5:36
4. If It Ain't Ruff 3:34
5. Parental Discretion Iz Advised 5:15
6. 8 Ball (Remix) 4:52
7. Something Like That 3:35
8. Express Yourself 4:25
9. Compton's n the House (Remix) 5:20
10. I Ain't tha 1 4:54
11. Dopeman (Remix) 5:20
12. Quiet on tha Set 3:59
13. Something 2 Dance 2 3:22

Personnel:
Arabian Prince
DJ Yella
Dr. Dre
Eazy-E
Ice Cube
MC Ren

 PVを見ると、不穏さが際立った。映像でイメージが明確になる。

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