Dionne Warwick 「Love At First Sight」(1977)

 うーん。迷走。AOR路線が狙いか。

 シングル"I Didn't Mean to Love You"(1976)を出すもチャート・インせず。
 ならばアイザック・ヘイズと共演だ。ジョニー・リバースが65年発表、ジミー・ウェッブ"By the Time I Get to Phoenix"のカバーと、自らのヒット再演で"I Say a Little Prayer"メドレーを。そのシングルを1977年に切るも、チャート・インせず。
 では昔の杵柄だ。62年にジーン・ピットニーが歌ったバカラック作品"Only Love Can Break a Heart"を同じ77年にシングル切るも、106位どまり。
 何をやってもダメダメダメ。

 おもむろに発売が19thの本盤。ここからB5、A1、A5とシングル切るもチャート・インせず。ワーナーとは78年に契約が終了してしまう。ディオンヌは不遇の時代だった。
 プロデューサーはスティーヴ・バリとマイケル・オマーティアン、徹底的に売れ線を狙った。実際にサウンドを仕切ったのはマイケルのほうか。

 良い曲、良い演奏、うまい歌。三拍子そろったアルバムになるはずが、ピントがボケた甘さになった。ポップス作るのは難しいと、こういうアルバム聴くたびに思う。
 スタジオ・ミュージシャンを集めた演奏と、マイケルが弾くシンセ・ストリングスでアダルティなポップス路線を狙った。弦は生も混ぜてる。でもシンセと足されて、妙に弦が安っぽい。

 なおディオンヌ自身がコーラスのクレジットあり。すなわちレコーディング手法の変化、ダビングの文化を受け入れた。もはや旧世代の、オケと一発録りで豪華に仕上げるスタイルを諦めた。 
 ダーレン・ラブがコーラスでクレジットも目を引く。

 楽曲はすべてバラバラの作曲家。それが散漫さの一因、と決めつけたくはないのだが。今一つコンセプトは見えず、どれが書き下ろしかは調べ切れてないが、
 時系列にディオンヌのアルバムを聴いてきた今は、B1みたいにモダンなメロディは似合わない、と思う。その一方、この手の路線でこの後にアリスタへ移籍し復活するのだが。 
 B3みたいにエレキギターがスルリと鳴るアレンジなんかも、売れ線狙い。
 タイミング、かな。プロモーション、かな。ワーナーの中でその他大勢にくくられてしまったように見える。

 特筆はB2。バリー・マニロウの曲をここで取り上げた。ディオンヌ復活の立役者、となる彼の作品を。そもそもバリーはディオンヌのライブで前座を務めてたという。栄枯盛衰。
 もっとも本盤では、単なる作曲家。うっすらとラテン風味の曲をのびのびとディオンヌは歌った。確かに本盤の中でも、いい感じな曲かもしれないな。

 アルバム全体のイメージは、するすると聴き流してしまう。引っ掛かりが無い。楽曲は悪くないのにね。

Track listing:
A1. Keepin' My Head Above Water 3:20
A2. Love In The Afternoon 3:12
A3. A Long Way To Go 3:25
A4. Do I Have To Cry 3:01
A5. Don't Ever Take Your Love Away 5:40
B1. One Thing On My Mind 3:25
B2. Early Morning Strangers 3:48
B3. Livin' It Up Is Starting To Get Me Down 3:40
B4. Since You Sayed Here 2:41
B5. Do You Believe In Love At First Sight 3:06

Personnel:
Producer - Michael Omartian, Steve Barri
Arranged By, Conductor, Keyboards - Michael Omartian
Concertmaster, Strings - Sid Sharp

Backing Vocals - Ann White, Darlene Love, Dionne Warwick, Eunice Peterson, Marti McCall, Myrna Matthews, Stormie Omartian
Bass - Scott Edwards
Drums - Ed Greene
Guitar - Ben Benay, Jay Graydon, Ray Parker Jr.
Horns - Chuck Findley, Dick Hyde, Ernie Watts, Fred Selden, Lew McCreary, Steve Madaio
Percussion - Steve Barri, Victor Feldman
Piano - Peter Larson (tracks: B4)

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