Dionne Warwick 「Very Dionne」(1970)

 歌うパワーは十分にあるけど、不完全燃焼なプロダクションが惜しい。

 14thアルバム。バカラック&デイビッドのプロデュースで、セプター・レーベルにて最後の作品となった。
 この時代はベスト盤やコンピが69年から72年にかけ数枚をセプターはリリースした。"Dionne Warwick's Greatest Motion Picture Hits"(1969)でゴールド・ディスク。ライブ2枚組"A Decade Of Gold - The Dionne Warwicke Story"(1971)もゴールド・ディスク。オリジナル盤でなく、過去の遺産で少し迂回して金を稼ごうという売り方っぽい。

 現役の歌手なのにな。本盤の選曲はあまりスッキリしない。全10曲中、バカラックの作品は(1)(5)(6)~(8)と5曲。
 ロジャー・ニコルスの(3)はカーペンターズのカバーになる。あまり喉を張らぬ歌い方はディオンヌへ似合ってる。だがせっかくならバカラックの曲で、彼女を飾って欲しかった。贅沢か。

 他のカバーはビートルズの(2)、スタンダードの(4)、リトル・アンソニー&インペリアルズの作品で、テディ・ランダッツォの名曲(9)、70年開幕のミュージカル"Purlie"の曲(10)と一貫性が無い。良い曲を適当に並べたって感じ。
 厳かに盛り上がるバカラックのオーケストレーションが美しい(1)から、こじんまりな(2)への落差も、なんだかなあ。

 (7)でもオケと歌の妙味は味わえる。ディオンヌの歌も本盤では時に喉を張り、小粋に歌うテクニックも使う。決して調子は悪くない。そう、彼女の潜在力を使い切ってない感じ。これがちぐはぐさのゆえんか。
 (8)はディオンヌのデビュー作"Presenting Dionne Warwick"(1963)ぶりの再演だ。なぜかライブ版を収録した。70年夏、ニュージャージー州Holmdelのthe Garden State Arts Centerでの公演音源らしい。
  アルバム最後の(10)でディオンヌはパアッと喉を張る。だが余力は残ってる。もどかしい。

 本盤がらみでは(8)(5)がシングルながら、ぎりぎりトップ40に引っかかるかどうか。さほどヒットとは言えない。その後も73年までセプターからシングルは、契約の関係か出続ける。しかし本盤に引っ掛けたり、もっと本盤を売ろうとする努力をセプターは試みなかったらしい。

Track listing:
1. Check Out Time 4:06
2. Yesterday 2:36
3. We've Only Just Begun 3:07
4. Here's That Rainy Day 3:35
5. The Green Grass Starts To Grow 3:00
6. They Don't Give Medals To Yesterday's Heroes 2:55
7. Walk The Way You Talk 2:50
8. Make It Easy On Yourself 3:34
9. Going Out Of My Head 3:08
10. I Got Love 2:26

 

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