Dionne Warwick 「in Paris」(1966)

 疑似っぽい演出だなあ。初のライブ盤で6thアルバム。

 5週間ものフランス公演をこなしたあとに発表の盤。前アルバムから4ヵ月後と速いペースでリリースされた。
 冒頭こそMCの案内に従いディオンヌが歌いだすけれど。アレンジの基本は豪華なストリングスとコーラスが一杯で、盛大な拍手は曲間や間奏の時のみ。熱狂ぶりと歌唱中の静かでクリアな音質は、とてもライブの臨場感無し。

 どんな公演だったのか。クレジット上はパリのオリンピア劇場で収録とあるし、(5)あたりはライブっぽい躍動感もチラリあるけれど。
 Wikiによれば少なくとも(4)と(9)のフランス語バージョンは、スタジオ・テイクに歌を入れ替えた疑似ライブとある。

 プロデュースのクレジットは本作もバカラック&デイヴィッド。全10曲中、彼らの曲は4曲と、ひときわ存在感は低い。むしろジャズ・スタンダードを歌うディオンヌを楽しむ盤だろう。
 (6)はフランスの歌手/ギタリストSacha Distelとデュエットした。(7)はDistelの曲をカバーしている。ワンナイト・スタンドでなく長期公演だからこそ、時にはゲスト呼んだり、色んな企画をしたのかもしれないな。
 
 レイ・チャールズの(10)をカバーが興味深い。本国ではこういう、どっぷりなR&Bはやってないのに。
 それともライブでは当時から、アメリカでもソウルフルな面を見せていたのか。海外公演だからこそ、黒人歌手ってレッテルからやむなく歌ったとも思えるが。メロディをひっくり返したりシャウトしたり。器用な歌いっぷりで、そこそこ聴かせる。ただ、似合ってないなあ。
 
 アルバムとしては、さほどピンとこない。きちんと歌が上手くてジャズ風ポップスな仕上がりだ。要はディナーショー的なもの。むしろ逆に、メロディをフェイクさせないぶん素直に聴けた。

Track listing:
A1 I Love Paris 2:30
A2 C'est Si Bon 3:00
A3 Message To Michael 3:10
A4 A House Is Not A Home 3:10
A5 Walk On By 3:00

B1 Oh Yeah Yeah Yeah Featuring : Sacha Distel 3:50
B2 The Good Life 3:17
B3 La Vie En Rose 3:00
B4 You'll Never Get To Heaven 3:05
B5 What'd I Say 3:14

 

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