John Patton 「Blue Planet Man」(1993)

 ジョン・ゾーン効果かな?ベテラン奏者の復活オルガン・ジャズ。

 ジョン・パットンのキャリアでは"Soul Connection"(1983)以来、10年ぶりのアルバムとなる。オルガン・ジャズ復権とかあったにせよ、やはり本盤はジョン・ゾーンが参加した文脈で語られる。
 
 ゾーンはパットンの音楽を前から知ってたと思うが、共演というか起用は"The Big Gundown"(1985)や"Spillane"(1987)にて。ファイルカード・システムの一要因にパットンのオルガンを取り入れた。したがって共演ってのとは少し違う。
 また、tb/g/asのトリオ編成でライブ盤"More News for Lulu"(1992)でもパットンの"Minor Swing"を取り上げた。この盤の録音は89年。
 ジャズを聴きこんでいたゾーンにとって、パットンはアイドルの一人だったと思われる。

 そして本盤へ。発売は日本がKing Records/Paddle Wheel、米がEvidence。どういう経緯やきっかけで本盤発売に至ったかは知らない。本盤は(7)でアーチー・シェップの曲を取り上げた以外は、全てパットンのオリジナル。現役ぶりを見せつけた。NYにて二日間であっさりと録音。

 彼の存在が売りってほど、派手に宣伝されてないが。とにかくジョン・ゾーンが参加した。とはいえ三管編成の本盤、さほどゾーンは悪目立ちしない。ちょっとフリーキーなトーンを披露しても、基本はオーソドックスなジャズにゾーンは留まってる。

 本盤の編成はフロントが3管でギターとドラム、コンガにパットンのオルガンって編成。正しいオルガン・ジャズのスタイルとしてベースはいないが、フロントが豪華すぎてちょっとピントがぼやけた。(6)では女性ボーカルまで投入しバラエティさを追求してしまう。

 ホーン隊のアンサンブルを売りにした楽曲ではないためだ。まっとうにファンキーなオルガン・ジャズ。するってえと、ソロ回しにもスペースが必要でフロント勢の個性が引き立ちにくい。
 人選は誰だろう。世代がバラバラ。パットンより若手を集める一方で、Eddie Gladdenはパットンの2歳下とベテランだ。
 
 パットンはブルーノートからポスト・ジミー・スミスの一員勢で63年にデビュー、60年代後半はオルガン・ジャズで活躍した。サイドメンも60年代後半が中心。
 だが70年代は録音のチャンスに恵まれず、Johnny Lytle"Everything Must Change"(1977)に名前があるくらい。フュージョンの波やジャズ・ロックの流れには乗れなかった。

 それがなぜ、唐突に本盤のリリースに至ったか。演奏は悪くない。ちょっと硬質なファンクネスは、つるつると流れてしまう。

 実際、ゾーンが参加した上での名盤は本盤に続く"Minor Swing"(1995)だと思う。この盤は、ほんとうにかっこいい。
 今となっては"Minor Swing"(1995)の陰に隠れたのが、本盤ってイメージ。改めて聴き返したが、やはり線が細い。オルガン演奏はきっちりファンキーだし、分厚いホーン隊は気持ちよくもあるのだが。
 実際、ずっと廃盤のまま。妙なプレミアもついてない。


Track listing:
1. Congo Chant   8:47
2. Funky Mama   6:49
3. Claudette   7:56
4. Chip   5:43
5. Popeye   8:01
6. What's Your Name   4:25
7. U-Jama 6:53
8. Bama   4:28

Recorded at Skyline Studios, New York, April 12 & 13, 1993

Personnel:
Big John Patton - organ
John Zorn - alto saxophone
Pete Chavez - tenor saxophone
Bill Saxton - tenor and soprano saxophones
Ed Cherry - guitar
Eddie Gladden - drums
Lawrence Killian - congas
Rorie Nichols - vocal

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