TZ 8308:John Zorn "Dreamachines"(2013)

 スピーディでスリリングなNova Expressでのセッション。

 ジョン・ゾーンが人選し演奏は加わらず指揮のみの疑似バンド、Nova Express。このユニットでは4作目が本盤となる。TZADIKの宣伝文には、ゾーンが影響受けた英の画家ブライオン・ガイシンと、米の作家ウィリアム・バロウズの作品をテーマとある。二人のカットアップ手法へ、ネイキッド・シティの素早やさとマサダの詩的な世界観を混ぜたそう。

 ちなみにバンド名のNova Expressもバロウズの作品「ノヴァ急報」から取った。前にリンク張ったことあったかな?バロウズ作品の全訳のPDFがネットにあったため、メモで貼る。
http://cruel.org/books/nova/novaexpress.pdf
 前文には「ブライオン・ガイシンのカット・アップ法を発展させた」と記載あり。カットアップの最初がガイシンに遡るのか。

 演奏は歯切れ良いアップテンポさがまず、印象に残る。(5)のようにスローなテンポの場面でも寛ぎより、スマートな緊張が漂った。
 作曲も指揮もゾーンが施しており、アドリブ場面以外はバンドとしてのダイナミズムは無いとも聴ける。

 ただしタイトでバランス感あふれる演奏は、間違いなく奏者の手柄。変拍子もジャストなビートも軽々とこなすテクニックあってこそ。ここではメデスキがオルガンでなくピアノを弾くことで、粘りを抑えメリハリを強調した。
 フリージャズ的なアンバランスさを、現代音楽風の整った譜面で構築するゾーンの色が鮮やかに仕上がった。逆に、破綻の危うさは全くない。ジェットコースターかお化け屋敷のように、安全でコントロールされた世界観だ。
 
 いろんな意味で隙の無い一枚。楽曲を展開というより、アドリブと混在してつぎつぎに異なる風景が現れてくる。

Track listing:
1. Psychic Conspirator2
2. Git-le-Coeur
3. The Conqueror Worm
4. The Third Mind
5. Light Chapels
6. The Dream Machine
7. Note Virus
8. 1001 Nights in Marrakech
9. The Wild Boys

Personnel:
Joey Baron: Drums
Trevor Dunn: Bass
John Medeski: Piano
Kenny Wollesen: Vibraphone

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