"Speak No Evil"(1966)を聴いている。

このところ体調悪い・・・。ということで今日は急遽に休暇を取る。回復優先で、今週の予定がずいぶん変わりそうだ。今日は初診の医者へ行った。色々と検査をこれから受けるが、さて結果はいかに。

さて気分転換に音楽。今はジャズ。

ウェイン・ショーター"Speak No Evil"(1966)を聴いている。この盤ってどこに聴点置いたらいいか、実は良くわからなかった。今、ふっと耳のピントが合ったため書いてみる。
この瞬間が音楽聴く楽しさだったりする。なんか、親しみを感じる一瞬。

繰り返す波のような行き来が、変化の無い強固さを演出するかのよう。熱狂を抑え、静かに美しさへ磨きをかける。
今は正直、静かな曲がいい。ということでバラードの"Infant Eyes"を聴きながらこれを書いている。

本盤は64年のクリスマス・イブに録音された。メンバーはフレディ・ハバード(tp)、ハービー・ハンコック(p)とロン・カーター(b),エルヴィン・ジョーンズ(ds)。
マイルスのバンドからペットとドラムを変えた格好だ。

まずこの年のショーターを振り返ってみる。http://www.jazzdisco.org/wayne-shorter/catalog/
年初はブレイキーのメッセンジャーズが主な仕事。"Free For All","Kyoto","Indestructible"を吹き込んだ。フレディ・ハバードとも共演。

合間にリー・モーガンの"Search For The New Land"やGrachan Moncur III"Some Other Stuff"のセッションに参加。両方ともピアノはハンコックだ。

自らの活動では"Night Dreamer"、"Juju"を吹き込む。双方とも、ドラムはエルヴィン。

秋口から、マイルスの黄金クインテットで欧州ツアーに行く。9月~10月かな。
前後して、"The Individualism Of Gil Evans"のセッションでギル・エヴァンスの仕事にも参加した。ドラムはエルヴィン。

そしておもむろに12月24日、ショーターは本盤の録音へ臨んだ。
ちなみに翌年の1月、マイルスの"E.S.P."が吹き込まれる。

想像をたくましくする。本盤ってつまりショーターにとって、この年の総決算な顔ぶれか。

マイルスと同じ編成じゃ意味が無い。若造ドラムは気に食わん。なら、気心知れたエルヴィンだ。ペットも欲しいな。なら、年初に一緒したフレディにしよう。そんなとこでは。
リー・モーガンとは既に同年、リーダー作の"Night Dreamer"で共演してるし。あと、マイルス流のクールでモーダルな色合いには似合わないし、なにより個性が強すぎる。もっと滑らかに吹きこなせる相方で、フレディに白羽の矢を立てたのでは。

アルバムを頭から聴いてくと、"ネフェルティティ"みたいな強烈にクールさまで至らない。どっか汗の生臭さが滲む。だが熱っぽいプッシュは控え気味。ドラムは冷静かつ丁寧にシンバルを鳴らし、煽らない。ピアノはエレガントに鳴るが、グルーヴは残す。

"Fee-Fi-Fo-Fum"が顕著だ。テーマ部分の厳かで整った響きは、シャレて涼しげ。そしてミニマルな揺らぎを残しつつ、根っこが温かい。テーマのあとまず、ペットがアドリブ取る。緩やかな譜割で、小節に音を詰め込まない。だが探りはせず、着実に音を叩きこむ。
続くショーターのソロだと、さらにコンセプトが明確になる。メロディを丁寧に変奏し、似たような音列とフレーズが、ジワジワと変貌していった。

ピアノはむしろ音数を懸命に抑えてるかのよう。隙あらばキラキラとオブリを混ぜる。逆にベースがほぼ存在感を消しつつ、がっつりサウンドを支えてる。少ない音数で目立たないが、スネアとの絡みが実にかっこいい。
美しさの極みが、バラード"Infant Eyes"。ベースとわずかなハイハットでリズム感を出し、ピアノがうっすらと音を広げる。
伸びやかに、テナーが鳴った。メロディとアドリブがするりと繋がり、どこまでが譜面か、一瞬迷うほど。今日、初めてこの曲の良さが分かった。

上下する音列からゆるやかにビブラートで揺らすさまの、なんと素敵なことよ。
ショーターの存在感を、たっぷり見せつけた一曲だ。
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