Go (1985)【Prince未発表曲】

 可憐で華やかな、しかしちょっと地味な曲。

 ウェンディ&リサが参加した85年頃の曲。"Parade"(1986)のセッション時期だ。Prince Vaultによると、情報のみで未発表に終わったレボリューションズとのアルバム企画"Roadhouse Garden"(1999)に収録を構想もあったとか。
 ソースは不明だが、当時のお抱えエンジニアなスーザン・ロジャーズが「プリンスはずいぶんこの曲にダビングを重ね手を加え、完成に意欲的だった」と記したとか。

 ふわっとしたミドルテンポの曲。流出した音源は音質悪く今一つ詳細は不明だが、当時トレードマークな、のタンバリンが弾けるようなシンセ・ドラムの音色がする。鍵盤を幾層も重ね、ゴージャスなイメージを作ってたようだ。
 ドラムはたぶん打ち込みに生ドラムをダビング。ベースはよく聴こえないが、シンプルなパルスのフレーズと、生弾き風のフレーズも感じる。
 確かにこれ、きちんとした音で聴いたら奥行きある華やかな世界が産まれたはず。

 ただし、ちょっとボーカルの旋律が弱い。プリンスのなまめかしい歌声で説得力こそあるが、いまひとつノペッと平板で淡々と曲が進んでしまう。重ねられた平歌やファルセットのボーカルでごまかされるけれど。
 エンディングはスッとボーカルのみの一声に収斂させるアレンジへ象徴されるように、細かいとこまでドラマティックに作られた。

 "Diamond and Pearls"や"Gold"へ至る習作っぽくも聴こえる。"Crucial"のバリエーションにも。もろに当時のプリンス・サウンドでもあるし、自己模倣と感じてボツらせたのかもしれない。とはいえ、きちんとちゃんとした音で聴いてみたい曲。

 いまだにネット・ニュースにはプリンスのお蔵入り音源の情報が飛び交う。プリンスの他界で聴ける可能性が、逆に高まったってのは皮肉な話である。

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