Don't Let Him Fool Ya (1982)【Prince未発表曲】

 薄く軽いファルセットなファンク。ワンコードだが微妙に凝っている。

 時期的に"1999"(1983)のアウトテイクなセッションと言われる。ここで聴けるテイクはデモっぽい薄っぺらさ。流出テープの音質かもしれないが、妙にハイが強く低音は軽い。
 ギターのカッティング、キーボード、ベースに打ち込みドラムと一通りのリズム・トラックは作られており、ボーカルも数種類ダビング。デモと言え、きっちり作りこまれてる。
 ただしメロディはタイトルを連呼するファルセットが延々と続くワンコード・ファンク。歌詞も前半でファルセットが語るように乗せるだけ。後半は掛け声めいた合いの手が延々と飛び交う構造だ。

 演奏も基本的にリフを弾くだけ。それでも時々、ギターやベースがフィルっぽいおかずを入れてくる。この辺の凝った作りがさすが。アイディアのメモにとどまらず、楽曲として最低限のメリハリや構成を意識したアレンジになってる。

 単にファンキーなアイディアをスケッチかも。お蔵入りはうなずけるシンプルさ。
 低音効かせてライブでは映えそうなセッションだし、もう少しメロディに手を加えて"Sign O' The Times"(1987)あたりに嵌めこむこともできたろう。
 楽曲作りのアイディアに事欠かないプリンス、あっさり本曲は忘れられたかのように埋もれた。

 でも今回聴くと、キャッチーで軽やかなリフは悪くない。だれかの提供曲として世に出ても良かった。

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