勝井祐二、ヒゴヒロシ、大友良英 「Visions Of Japan / Sounds Of Tokyo」(1991)

 実験的な音楽ながら妙に聴きやすい。微妙に世代が違う三人の才能が集まった、興味深いコラージュ作品。

 91年7月から92年1月にイギリスで開催の"Japan-UKフェスティバル1991"に使われた音源で、"カオス"と名付けられた石山修武による、建築のためのインスタレーション「visions of japan」で使われた音楽らしい。8chの音源を2chにミックスした。大友良英、勝井祐二、ヒゴヒロシの貴重な初期作品。

 この時代だと70年代から活動しチャンス・オペレーションなどで80年代に積極活動のヒゴや、87年頃から音盤も発表あった大友は多少なりとも知名度合った。だが勝井は活動を始めて数年くらいで、抜擢な起用と思う。
 ただ、パンク的なイメージが強いヒゴが、こういう前衛的なアプローチに参加は意外だった。といっても僕は本盤をリアルタイムで聴かず、98年頃になって耳にしたけれど。

 収録は3曲。三人が揃って作ったのかな。どれもコラージュ風のテクニックが駆使され、アプローチ的には大友が主導権を持ったイメージ。(3)の人声には大友っぽい声がいくつも聴こえる。
 なお05年に大友は自作で、本盤をサンプリングしたとある。
http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/20050225

 メロディや展開、テーマや構成はあまり感じられず、とにかく混沌な世界が続く。断片的な世界が次々移り変わった。テープの早回しを多用するアナログっぽさに、時代を感じる。デジタル操作はこのとき一般的ではなかったはず。もちろんプロトゥールズなんてものもない。
 なお録音は吉祥寺GOKの近藤祥昭が担当した。

 日本の侘び寂び、雅楽の幻想性と歴史の重みや整合性。特に東京の雑多な文化と無国籍感、スピードと無秩序さ。相反するが何となく収まってしまうコラージュさと貪欲性、へんてこな空気とたどたどしいぎこちなさまで、いろんな要素が詰まった。

Track listing:
1. Sound I 7:58
2. Sound II 7:28
3. Sound III 9:43

Personnel;
Composed By, Programmed By - ヒゴヒロシ、大友良英、勝井祐二


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