Wonderful Ass (1983)【Prince未発表曲】

 シンプルでキュートなファンク。アイディアの赴くまま作った感じ。

 プリンスの未発表曲として有名なこの曲は、もともと83年の録音と言う。"1999"(1982)と"Purple Rain"(1984)の合間。膨大な曲を作ったという"Purple Rain"プロジェクトの候補曲だったのかも。

 ドラム・マシーンにシンプルなシンセのリフ、軽快で乾いたギター・カッティング。シンプルだがギターが良い味付けになって、絡み合うノリのいいビートを作った。ときおりベースが音程高めに、にょきっと顔を出してカウンターを加える。

 ほぼワン・アイディアな曲だが中盤でベースが目立つあたりから、なんとなくセッション風にうねっていくのが聴きもの。プリンスのシャウト気味で生き生きしたボーカルが暴れ始める。とはいえ多重録音らしいが。
 終盤で歪んだ音色のエレキギター・ソロが一瞬顔を出し、ぱっと沈む。

 Prince Vaultによれば、幾度も手を加え発表のチャンスを狙った作品らしい。
 冒頭から聞こえるリサ&ウェンディのボーカルは、ベーシック・トラックを録った3年後の86年にダビングだそう。だが"Parade"に収録も無くお蔵入り。

 "Roadhouse Garden"と銘打つアルバムの企画が1998年頃にあり、そこへ収録のうわさが流れた。だがアルバムの企画そのものが流れてしまう。"Crystal Ball"(1998)にも収録は無し。
 "The Vault... Old Friends 4 Sale"(1999)のように蔵出しでワーナーとの契約はお茶を濁す道にも、本曲は外れてしまった。

 00年頃に"Crystal Ball Volume II"の企画もあり、ファン投票で収録曲に本曲は選ばれていた。しかしこのアルバム企画も没に至る。

 そこまでして聴きたい曲かと言われれば、ちょっと単純すぎるアプローチな曲って気もする。でも今回、改めて聴いたら、前半の定型ファンクからセッション風に展開する流れへ、特に冴えたものを感じた。やっぱ、プリンスはかっこいいわ。

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