Come Elektra Tuesday (1985)【Prince未発表曲】

 乾いたファンクネスとしとやかなポップさが楽しい。サビ後のとろけ具合も味わい深い。

 85年の曲で"Around the world in a day"のあと、"Parade"の前に録音され埋もれた一曲。Carmen Electraに引っ掛けた歌かと最初は思ったが、彼女との邂逅は90年。偶然の一致だ。
 
 当時らしいパシャパシャ鳴るスネアのエレクトリック・ドラムに単音の鍵盤が強く鳴るシンプルなアレンジを骨格に、ギターやドラム、ベースが細かく足され楽曲に厚みを増した。ぱっとしたイメージはラフに見せかけ、とても丁寧に作られてる。
 バック・コーラスでジル・ジョーンズの参加もあり。

 歌とも語りともつかぬメロディ・ラインで、思いつくまま歌ったかのよう。 ボーカルは様々な声色を使い、プリンスは物語性をたっぷり披露した。
 ただし作りっぱでなくきちんと楽曲が構成されている。プリンスの放出する旋律の豊潤さに唸る。
 基本はダビング無しだが、サビ前後で多重ボーカルが加わった。
 特に聴きどころはサビ以降。場面が急に展開していった。着地点を見せずくるくると進歩していくさまがスリリングだ。

 楽曲としては確かに弱い。前後の"Around the world in a day"や"Parade"があまりにも強力であるが、ゆえに。しかししっかりとアレンジは構築され、鮮やかな余韻を残す曲。埋もれさすには惜しい。録音の自由は確保したが、LP時代でシングルB面くらいしかLP以外の発表の場は無い。LPはワーナーがきっちりビジネス展開しており、まだプリンスも明確には不満を表明してなかった。

 00年代以降のネット時代なら、何らかの形で公式リリースしてたかも。敢えて蔵出しする必然性も無く、そのまま埋もれた。ただしプリンスの頭には残っており、00年の没プロジェクト"Crystal Ball Volume II"の候補曲には上がっていた。当時のファン投票からは落とされたようだが。
 しかし"Crystal Ball Volume II"のファン投票ってやってたのか。全然印象にない。
 

関連記事

コメント

非公開コメント