TZ 7133:Ahava Raba "Kete Kuf"(1999)

 ドイツのクレヅマー・バンドAhava Rabaのデビュー盤。

 活動はそこそこ長いらしく、Discogsによれば以下二枚のコンピに参加歴があった。逆に本盤以降で、このバンドによる活動が追えない。

1995:Shteygers - New Klezmer Music 1991 - 1994
1997:Klezmania: Klezmer For The New Millennium
 

 生真面目な雰囲気が漂う。歌声にホーメイを繋げる(4)も、ユーモアよりまじめなテクニックで丁寧に披露した。
 特にマリンバが駆ける(1)を筆頭に、ザッパ的にタイトにキメを魅せる場面もあちこちあり。

 掛け声やスキャット、ずばりの歌が入る曲もあるが、基本はインスト。
 編成はVln,cl,acc,tuba,perとちょっと変わった編成だ。それともクレヅマーではこの編成が一般的なの?ベースでなくチューバが低音を受け持つパターンが、他にもあった気がする。

 演奏はテクニカル。力任せな即興要素は皆無で、アドリブらしき部分も含めてきっちり譜面っぽい響きが漂う。
 また楽曲そのものもしっかりアレンジされ、全員が常に音を出さない。楽曲により編成から変えた。いわゆるテーマからソロ回しって流れに支配されない。バンドと言うよりユニット的な構図だ。

 リーダーが弦楽器奏者のサイモン、かな。本盤で5曲のオリジナルを提供。共同プロデュースに名を連ねる。なお全9曲中、残りはブルガリア、アルメニア、アゼルバイジャン、トルクメニスタンと欧州や中央アジアの伝統曲を演奏した。
 ライナーには「本盤はサイモンが欧州を放浪し音楽蒐集した、5年間の集大成だ」みたいな文章もある。
 アルバムの構成は冒頭、中盤、最後をオリジナル曲で整え、中盤の前後でそれぞれ伝統曲を挿入する形を取った。

 異文化をいったんアカデミックなフィルターを通し、夾雑物を整え磨き上げた感じ。泥臭さをもとめたら拍子抜けだが、きれいなクレヅマーを味わうならいいかも。歌から演奏から色んなパターンを収めてるし。生真面目なユーモアも含めて、教科書的だな。
 
 なおCDとTZADIKのクレジットは微妙に違う。CDでは10曲のトラックが切られてるが、最後の曲は無音の5秒のみ。TZADIKのほうは9曲のクレジットで、CDでいう4曲めと5曲目がメドレーで記載された。
 本項ではTZADIKのクレジットを採用してる。

Track listing:
1. Jack Singt
2. Armenien 5
3. Kopanitja
4. Kete Kuf - Akatipana
5. Howe Leg Na Rogle
6. Shalocho
7. Geamparale
8. Kurze Turkmenische Schnitte
9. Chowdi

Composed By - Simon Jakob Drees (tracks: 1, 4, 5, 8, 9), Traditional Armenian (tracks: 2, 6), Traditional Bulgarian (tracks: 3), Traditional Azerbaijani (tracks: 7), Traditional Turkmenistani (tracks: 7)

Personnel:
Simon Jakob Drees: Violin, Viola, Kugnana, Lead Vocals
Tobias Dutschke: Percussion, Vocals
Jan Hermerschmidt: Clarinet, Bass Clarinet, Vocals
Katrin Pfeiffer: Accordion, Vocals, Percussion
Georg Schwark: Tuba, Vocals



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