Dawn Tyler Watson & Paul Deslauriers 「...en duo」(2007)

 男女のアコースティック・ブルーズなデュオ・アルバム。ギター一本の演奏だが曲ごとにアレンジやアプローチも変え、飽きさせないアレンジ力が根底にある。
 

 双方ともカナダ在住ゆえに、アメリカ人とは違ってひとひねりというか、歴史や文化の違いをあまり意識せず、客観的にさまざまな曲を演奏できるのかもしれない。
 全体的にあまりこぶしは回さず、あっさり演奏した。ブルーズにしては軽い。カントリーにしては苦い。ちょっとづつ歩み寄って溶け合ってる。

 Dawn Tyler Watsonは英生まれでカナダのオンタリオ州に育ち2000年頃から活動を開始のようだ。Danusha名義でも録音を残すがDawn Tyler Watson名義では、今年出た"Jawbreaker!"が1stソロっぽい。


 Paul Deslauriersは今一つ経歴不明だが、モントリオール出身。アルバムでは本盤の他に、"Ripping Into Red"(2006)と、Anwar Khurshidとデュオで"Enter the Gate"(2013)をリリースした。
 今はPaul Deslauriers Bandを率いて、"PAUL DESLAURIERS BAND"(2014)、"RELENTLESS"(2016)を発表した。しかしWikiにもDiscogsにもろくに情報が無い。
    

 するってえと、本盤はかなり活動初期のアルバムにあたるみたい。このデュオでは本盤に続き、"Southland"(2013)もリリースしてる。
 

 アルバムは簡素なもの。ポールがアコギを弾くだけで、あとは淡々と歌うだけ。(13)ではハーモニーを多重録音で凝りもするが。なお14曲目は隠しトラック。
 ドーンのオリジナルは(7)、(9)のみで、あとは全部カバー。

 (1)はカナダの現役ブルーズ歌手Rob Lutesのカバーみたい。(2)はツェッペリン、(3)はカナダのベテランなブルーズ歌手Bruce Cockburnの曲。
 (4)はアメリカのSSW、Patty Griffinが98年に書いた曲で、(5)はミラクルズの68年ヒット曲。

 (6)もカバーらしいがオリジナルが不明。W.C.Clarkの曲とある。(8)もR.M.Vonesの曲とあるが、オリジナルがわからない。(10)はアメリカ人SSWなスティーブ・アールによる86年の曲。
 (11)は1908年に書かれたスタンダード。(12)は65年のサイモン&ガーファンクル、(13)はビートルズ。

 たんなるアコギのストローク弾きにとどまらず、上記のように幅広くごった煮なカバー曲の連発で、飽きさせないアルバムに仕上げた。ライブハウスのツアーでも映えそうなシンプルさだし、最後に(13)で精密なアプローチもイケるとアピールするセンスも良い。
 あまり予算をかけずとも、シンプルなアレンジでほっこり聴かせる良いアルバムだ。
 基本はアコースティック・ブルーズ。だが(13)のソフト・ロックなフォーク寄りアプローチが気持ちいい。

 これは2ndアルバムからだが、二人のPV。
 

 ライブ映像がいくつも、Youtubeにある。とりあえず4個ばっか貼ってみよう。
 

 
 最後のツェッペリン・カバーは2015年Durham West Blues Festivalより。このデュオは継続活動してるようだ。

Track listing:
1. I Will Stand by You
2. Going to California
3. Mama Just Wants To Barrelhouse All Night Long
4. Wiggley Fingers
5. The Tracks Of My Tears
6. Cold Shot
7. Boozin’
8. Trouble In Mind
9. Why
10. My Old Friend The Blues
11. Shine On Harvest Moon
12. Homeward Bound
13. Come Together
14. Sometimes I Feel Like A Motherless Child

Personnel;
Paul Deslauriers:Guitar,Vocals
Dawn Tyler Watson:Mouth Trombone, Vocals


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