Bessler-Reis Quartet 「Villa-Lobos:String Quartet No. 1-3」(1997)

 20世紀初頭に活躍したブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲集。

 音源は上記のものと思う。CDは廃盤、MP3で容易に聴ける。このCDも、同じ音源かな?
 

 ぼくは91年にテイクオフが解説付きで"ヴィラ=ロボス弦楽四重奏曲全集"シリーズの1枚で聴いた。この盤は日本語解説ありもさることながら、エッセイが非常に読み応えあって面白い。
 日本ヴィラ=ロボス協会会長だった指揮者の村方千之が、79年から始まる、日本でヴィラ=ロボスの認知度が増す過程を書いたエッセイが。

 ちなみに僕はヴィラ=ロボスを、翠川敬基が荻窪グッドマンでやってたクラシック化計画で知った。弦楽四重奏曲ではないがヴィラ=ロボスの曲を演奏し、面白く思ったのがきっかけ。

 なおヴィラ=ロボス弦楽四重奏は全17曲あり。CD6枚で収録が可能で、バラで買い進める手もあるが、こういうBOXもある。音源や録音がどう違うか、今一つわからない。クラシックはとにかく聴いたほうが早いな。
 

 ヴィラ=ロボスは非常に多作家で、生涯に1,000曲を超える作品を残した。アカデミックな教育でなく独学で作曲を学び、クラシックの手法にブラジルの要素を足したのが特徴と言う。
 Wikiの解説が面白くて「民謡風な魅力はあるものの、交響曲の項でも述べたように古典的な形式という枠組みが足かせとなって、才気の飛翔を妨げている憾み」とある。

 この四重奏すらも、まだヴィラ=ロボスの本領発揮じゃないのか。どんだけすごいんだ。ぼくはあまり彼の音楽を聴いてないが、もっと聴き進めたい意欲にかられる。聴きたくさせるあたり、たいした解説ですな。

 ヴィラ=ロボスはアイディア豊富な人だったのかな。第一番から第四番までは1915-17年に作曲された。
 特に第一番の発散っぷりが顕著だ。6楽章構成で、目まぐるしく楽想が変わっていく。無邪気な響きから次第に荘厳さを増すさまが面白い。

 第二番はもっと洗練され、静かで美しい響きが前面に広がる。しずしずと、滑らかに。やはり次々にアイディアが投入され、鮮やかに風景が変わっていく。けれども響きそのものが穏やかで凛々しい。第一番のとっ散らかりっぷりが、いっきに大人になった感じ。

 第三番の世界観は第二番と共通して、するりと流れていく。いくぶん堅苦しいメロディや和音も、しなやかな雰囲気で力強さあり。メロウだが情感に流れず、きりっと胸を張る。
 解説によると第二楽章にはピチカートや弓で弦を叩く特殊奏法を使うことから、「ポップコーン・カルテット」と"広く知られている"、とある。確かに検索すると、そんな言葉でも引っかかるページがいくつかあるな。
 ちなみに今の時代「~と言われる」とかを、具体的な検索のヒット状況で確認してしまう。20世紀にはなかった感覚だ。世間知が具体値で測れるのは、いいことかどうか。

 確かにこの第二楽章、弾けた球をほおり投げ合うようなフレーズが飛び出す。そこからチェロが滑らかに奏でる流れが美しい。
 しかしこの盤に収められた音楽は、メロディが生き生きしてる。クラシカルだが、突き抜ける伸びやかさがあり。

 なお本盤はベスレル=レイス弦楽四重奏団が88~89年にかけ、リオ=デジャネイロで録音した。

Track listing:
Quarteto de Cordas no.1
1. Cantilena (Andante)
2. Brincadeira (Allegretto Scherzando)
3. Canto lirico (Moderato)
4. Canconeta (Andantino quasi Allegretto)
5. Melancolia (Lento)
6. Saltando como um Saci (Allegro)
Quarteto de Cordas no.2
7. Allegro non troppo
8. Scherzo
9. Andante
10. Allegro deciso - Final (o)
Quarteto de Cordas no.3
11. Alegro non troppo
12. Molto vivo
13. Molto adagio
14. Allegro con fuoco

Personnel;
Quatuor Bessler-Reis
 Bernardo Bessler, Michel Bessler, violins
 Marie-Christine Springuel, viola
 Alceu Reis, cello



関連記事

コメント

非公開コメント