Mint Condition 「Definition of a Band」(1996)

 今はリズムの妙味で再評価ポイント有りな、90年代ボーカル・グループの3rd。

 ミネアポリス出身のR&Bバンド、ミント・コンディション。雨後の筍な90年代ボーカル・グループの一つと当時は捉えていたが、正確にはボーカル・グループでなく演奏もこなすバンド、である。
 ジャム&ルイスの設立レーベルPerspective Recordsの第二弾契約グループ(第一弾はサウンズ・オブ・ブラックネス)にてデビュー。当時の人気度合いはよく知らない。このころぼくはタワレコで毎週、ボーカル・グループっぽいのを片端からチェックにて情報入手しており、マスコミなどの情報は疎くて。

 そんな情報ルートのため1st"Meant To Be Mint"(1991)は見落として存在も知らず。"From The Mint Factory"(1993)は聴いたがあまり馴染めず。べたっとしたシンセと奇妙にポップな雰囲気に耳を惹いたが、いまいちピンと来なかった。とりあえず本盤と、4th"Life's Aquarium"(1999)までは聴いたが、さほど印象は残ってない。
 この乾いたビートも、当時はさらりと聴き流してたようだ。打ち込みかなって。自分の耳の感度鈍さにガックリ。当時気づいてたら、なあ…。

 今や本盤のドラムは改めて再評価に至った。クリス・デイヴが叩いてるからだ。知らなかった。
 クリスはロバート・グラスパーやディアンジェロの盤参加で名を上げた、打ち込みビートを人力で叩くスタイル。キャリア初期に録音へ参加してたのがミント・コンディションだった。メンバーでなくサポートとして。アルバムの2nd~4thまでクリスも叩いてる。

 本盤に至っては(1)と(7)でクリスの作曲クレジットまであり。2ndや4thでは記載無いのに。単なるスタジオ・ミュージシャンな仕事としても、それなりに深く演奏へかかわったみたい。
 ただしメンバーの演奏もドラムとクレジットあり、すべてをクリスが叩いてるわけじゃない。明らかに打ち込みっぽいビートもあるし。
 (1)はクレジットもありクリスで間違いない。
 (2)のダブル・トラックなドラムの生演奏風のビートや、乾いた(17)あたりのドラムはクリスっぽいが、さて真実はいかに。
 逆に(5)や(6)、(11)みたいなオーソドックスなドラムは、クリスじゃなさそう。

   
 
 改めて本盤を聴くと、(7)などもろにジャズを叩いてる。だからクリスのクレジットもうなずける。
 一方で打ち込み全盛時代に生演奏の色合いを強め、凡百のボーカル・グループではない、とミント・コンディション自身は主張したかったのかも。

 アルバム全体はクールな打ち込みビートが充満し、前半がアップで後半バラードみたいな類型的構成はずらしてないが。(16)みたいに最後でぐわっと盛り上げもする。トータル・アルバムっぽい曲順だ。(3)や(4)にメロウな曲を置き、一本調子さも避けた。
 今の耳だとファンクを基調に、したたかな演奏を少しは楽しめる。歌が弱いのとメロディのキャッチーさが足りなくて、今一つ全体像は単調でパッとしないけれど。

 本盤からは3曲のシングル(3,5,6)が切られた。結果的にはアルバム冒頭にキャッチーな曲を固めたことになる。PVが3曲ともYoutubeにあった。
  

 とにかく本盤は冗長だった印象が当時あり。18曲で76分。おなか一杯だ。
 CD収録時間を目いっぱい使う、当時ならではの構成。それだけ力がこもった盤とも評価できるが。
 なおプロデューサーはミント・コンディションのメンバー自身が行いジャム&ルイスは関与無し。エグゼクティブ・プロデューサーでカネを出しただけ。

 とはいえ改めて聴くと、ヒップホップ色も嫌味じゃないし、ビートの硬さも古びてない。悪くないかもな。やはり当時のぼくは何を聴いてたんだ、とがっくり来る感想だ。
 本盤でミント・コンディションはパースペクティブ・レーベルから離れ、エレクトラへ。4thのみをリリース。その後はインディへ向かう。
 プリンスに再度引き上げられ、オープニング・アクトで出演は2010年。去年にもアルバムを出してる。彼らはまだ、着実に活動を続けてたんだ。
    

 本盤シングルを演奏してる発売当時のライブと、曲は違うが今年のライブ映像も貼っておこう。
 

Track listing:
1. "Definition of a Band (Intro) (Stokley Williams, Chris Dave, Jeffrey Allen) (1:05)
2. "Change Your Mind" (Stokley Williams, Keri Lewis) (4:51)
3. "You Don't Have To Hurt No More" (Keri Lewis) (5:22)
4. "Gettin' It On" (Keri Lewis, Stokley Williams) (4:52)
5. "What Kind of Man Would I Be?" (Lawrence Waddell) (4:24)
6. "Let Me Be the One" (Lawrence Waddell, Stokley Williams) (5:01)
7. "Definition of a Band - Swing Version" (Chris Dave, Stokley Williams) (1:00)
8. "Ain't Hookin' Me Up Enough" (Ricky Kinchen, Keri Lewis, Lawrence Waddell, Stokley Williams) (4:14)
9. "Funky Weekend" (Homer O'Dell, Stokley Williams) (4:55)
10. "I Want It Again" (Stokley Williams) (5:10)
11. "On & On" (Keri Lewis, Stokley Williams) (4:40)
12. "The Never That You'll Never Know" (Keri Lewis, Stokley Williams) (4:38)
13. "Asher in Rio" (Interlude) (Jeffrey Allen) (0:31)
14. "Raise Up" (Homer O'Dell, Stokley Williams) (4:36)
15. "On & On" (Reprise) (Keri Lewis, Stokley Williams) (0:59)
16. "Sometimes" (Ricky Kinchen) (4:16)
17. "Missing" (Jeffrey Allen) (4:15)
18. "If It Wasn't for Your Love" (Lawrence Waddell) (1:19)

Personnel:
Stokley Williams - vocals, drums, percussion, guitar, bass, keyboards, producer, composer
Homer O'Dell - vocals, guitar, drums, percussion, producer, composer
Ricky Kinchen - vocals, bass, keyboards, guitar, producer, composer
Keri Lewis - vocals, keyboards, organ, piano, drums, guitar, producer, composer
Jeff Allen - saxophone, vocals, keyboards
Larry Waddell - keyboards, vocals, piano

Chris Dave - drums, percussion
Lil' Roger Lynch: Vocoder

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