Ricked Wicky

元Guided by Voices (以下、GbV)のロバート・ポラードが新バンド、Ricked Wickyを始動した。1/20にシングル3枚を同時リリース、今回2/3に1stアルバム"I Sell The Circus"をドロップ。ようやく届いた。GbVよりバンドっぽさが減って、密室性が増した気がする。トッド・トバイアスの功績か。

Ricked Wickyは元GbVのメンバーたち。
もともとGbVはアルバムごとにメンバー変わるようなありさま。ロバート以外は流動的で、彼以外、全とっかえしたときもあった。仲たがいとは違うのかも。そのあと、しれっとバンドに戻ったメンバーもいるし。
なら今回もGbVでいいじゃん、とも思うが。ロバート的には何か、違うらしい。

ロバートはGbV後にバンドとして、Boston Spaceshipを立ち上げた。だがまあ、上手くいかなかった。アルバム数枚、ツアーは一回だけして解散した。このバンドに参加した二人が昨年秋、ロバートを除いて新バンドEyelidsが始まったあたりからしても。
結局ロバートはGbVを再始動。だが再GbVも昨年ツアー中に、いきなり解散した。どうもロバートはバンドが長続きしない。

まあいい、Ricked Wickyだ。各メンバーのGbV在籍期間を整理してみた。
Robert Pollard ,g,vo : 1983 -2014
Todd Tobias    ,b     :2002 -2004
Kevin March    ,ds   :2001 -2004
Nick Mitchell  ,g,vo  :なし

ニックの名前は初めてGbV界隈で見た。経歴は不明。1曲だけの参加だし、メンバーじゃないのかも。
実質Ricked Wickyはトリオ編成、かな。トッド・トバイアスはロバートのソロで,欠かせない人物。ここ何年も、ロバートのソロで楽器全部を一人で演奏してる。やっぱりなぜ今回、バンド名義か分からない。

なお先行シングル3枚のB面は全て、アルバム未収録。ロバートの良くやる手だ。シングルのフィジカル・リリースは各500枚の限定盤。ただし日本のi-tunesでも配信されており、B面を聴くのは簡単だ。まだ買ってないけど。

Ricked Wickyの1stを聴いてるが、どっか軽い。録音が細いな。GbVでのパンキッシュさや前衛要素は控え、もっとポップ寄りな印象ある。バンド名義なのに宅録っぽい印象も。そもそもトッドは多重録音でバンド風のグルーヴ出すのがうまいのに。なんかへんなの。
楽曲を聴く限り、いちおうはライブ演奏も意識してそうだ。今後の活動が楽しみ。

ちなみに本バンド名義で既に2ndアルバム"King Heavy Metal"も録音すみ。6/23に発売される。
ついでにロバートのソロ、"Faulty Superheroes"も4/28に発売予定。昨年だかに「新譜は作らない」宣言をロバートがした気もするが、どうやら気のせいだったらしい。相変わらず多作な人だ。

Ricked Wicky 1st収録曲。こっちの方がポップでカッコいい。


こっちはロバート節って感じだな。


【Discography】
1/20 Single "Piss Face" (c/w "Temporarily Inane"はアルバム未収)
1/20  〃  "Mobility"  (c/w "Imminent Fall From Grace"は 〃 )
1/20  〃  "Death Metal Kid" (c/w "Hopefully Not In The Fall" は〃)
2/3  Album  "I Sell The Circus"
6/23 〃  "King Heavy Metal"

(最新インタビュー)

フンメルからベートーベンへ

最近、室内楽に非常な興味がある。こないだ数枚、CDを買ってきた。せっかくなので、まったく知らない作曲家を中心に。通勤中に聴いてて「きれいだけど、あともう一歩・・・」と、ふと思う。
改めてベートーベンの弦カルを聴いてみた。凄い。なんか複雑で、格調がある(ような気がする)。

通勤中に聴いてたのは、フンメルのピアノ三重奏。フンメルはハンガリーの作曲家でサリエリに声楽、ハイドンにオルガン、モーツァルトにピアノを習い、ベートーベンと親交あったという、バリバリの同世代人。
フンメルは当時、名ピアニストとして名をはせ、作曲数も多い。同時代ではもてはやされた人、らしい。テレマンみたいな立場かな。

かれのピアノ三重奏は、とにかく流麗だ。ピアノの旋律がコロコロと跳ね、バイオリンとチェロが温かくめまぐるしく盛り立てる。聴いたのはトリオ・パルナッススの89年ドイツ録音で、演奏も素晴らしい。三重奏と思えぬふっくらした空気感のミックスが後押しして、ロマンティックな洗練さをたっぷり味わえた。

フンメルの楽曲は不協和音や苦悩と無縁で、自信が伝わってくる。堂々と優美に旋律を膨らませ、絡み合う楽器の構造を練った。書き飛ばしじゃなく、押し引きやドラマティックさを十分に考察している。
サロン風に穏やか、かつ胸を熱くさせる雰囲気を味わうのに最適だ。決してBGMに留まらぬ物語性が滲んでる。

しかしベートーベンの弦カルを聴いたら、まったく別モノ。これが"違い"か、としみじみ思った。なんか明らかに異なる。和音か旋律構造か、それとも構成か。
流麗さと違う引っかかりが、ずばどぼと溢れてきた。弦カル1番とか2番で聴き比べてみたのに。

ということでベートーベンを改めて聴くことにする。ベートーベンはさすがに演奏もいっぱい録音あるな。
これが王道メジャー路線のパワーか・・・!

Van Morrison新譜

3月発売のヴァン新譜は"Duets: Re-Working the Catalogue"、セルフカバーのデュオ集。敢えて有名曲を外した選曲のオリジナル発表年を整理してみた。

まあ、渋いセンス。年代はバラバラ。しかも近作からも採用し、たんなる"自らの懐メロ"路線でもない。アルバムから2曲とりあげてるのが、【Hymns To The Silence】[1991]と【The Healing Game】[1997]から。・・・って、90年代の円熟ヴァン時代からだ。

ヴァンのブートはいくつか聴いてるが、ライブでも取り上げて無さそうな埋もれた曲も取り上げてるっぽい。
ヴァンは新味より掘り下げるタイプで、駄作が無い。今年70歳、枯れても脂分がにじみ出る。今回の新譜も、味わい深く噛みしめて聴けるといいな。

先行で配信のマイケル・ヴーヴレとの"Real Real Gone"を聴く限り、アレンジはオリジナルと変えて無さそうだが。他の曲はどうだろう。

ちなみに"Real, Real Gone"は最初、76~78年に録音されるもボツ。もういちど80年に録音だが、これもボツ。これは没曲コンピ"The Philosopher's Stone"で聴ける。
さらにアレンジをちょっと変えて【Enlightenment】[1990]で、ようやく正式リリースされた。
ヴァンも思い入れある曲なのか、ライブでもたびたび取り上げられた。昨年10/28のRoyal Albert Hall公演でも演奏している。

今回リリース情報はこちら。

()がデュオ相手、【】がアルバム名、[]が発表年度。

1. Some Peace of Mind (ft. Bobby Womack) 
【Hymns To The Silence】[1991]

2. Lord, If I Ever Needed Someone (ft. Mavis Staples) 
【His Band And The Street Choir】[1970]

3. Higher Than the World (ft. George Benson) 
【Inarticulate Speech Of The Heart】[1983]

4. Wild Honey (ft. Joss Stone) 
【Common One】[1980]

5. Whatever Happened to P.J. Proby? (ft. P.J. Proby) 
【Down The Road】[2002]

6. Carrying a Torch (ft. Clare Teal) 
【Hymns To The Silence】[1991]

7. The Eternal Kansas City (ft. Gregory Porter) 
【A Period Of Transition】[1977]

8. Streets of Arklow (ft. Mick Hucknall) 
【Veedon Fleece】[1974]

9. These Are the Days (ft. Natalie Cole) 
【Avalon Sunset】[1989]

10. Get On with the Show (ft. Georgie Fame) 
【What's Wrong With This Picture?】[2003]

11. Rough God Goes Riding (ft. Shana Morrison) 
【The Healing Game】[1997]

12. Fire in the Belly (ft. Steve Winwood) 
【The Healing Game】[1997]

13. Born to Sing (ft. Chris Farlowe) 
【Born To Sing: No Plan B】[2012]

14. Irish Heartbeat (ft. Mark Knopfler) 
【Irish Heartbeat】[1988]

15. Real Real Gone (ft. Michael Bublé) 
【Enlightenment】[1990]

16. How Can a Poor Boy (ft. Taj Mahal) released on Keep It Simple, 2008)
【Keep It Simple】[2008]


ドウィージルの新譜プロジェクト

ZPZばっかのイメージだったドウィージルが、新譜プロジェクトをクラウドファンディング形式で発表した。
2/E:録音
3/E:Mix & マスタリング
4/E:プレス完了
5月2週目:発売。

こんなビジネスライクに録音が進むもんなのか。タイトなスケジュールが新鮮だ。
オリジナル・アルバムでは"Go With What You Know"(2006)ぶり、かな。

気になる投資金額別のプログラムはこんな感じ。
$10:DLパス(+access to the studio updates) ・・・ってなんだ?アウトテイク?
$20:+デモとレアテイクのDL
$24:+CD
$34:+サイン付CD
$35:+旧譜のDL("Confessions of A Deprived Youth"(1991),
                 "Automatic"(2000) ,"Go With What You Know"(2006))
$35:+FOH(65曲)のDL(数が合わないが"F.O.H"のI~Ⅲの別ミックスらしい)
$43:+Tシャツ
$84:+ライナーに名前記載
$108:+肉筆の歌詞カード(たぶん、一曲)
$200:+ギターエフェクターの設定データ(・・・かな?良くわからない)
$300:+60分のマンツーマンなギター・レッスン(当然、北米だけだろ)
$10,000:+ZPZツアー使用のギブソンSG、ザッパ・モデル。サイン付。
$12,000:+ドウィージルとLAのスタジオで1曲、レコーディング。

2/12にプロジェクト発表、既に予定額の135%越え。$300~$12,000のアイテムは売り切れと言う。すげえな。
買うならどれかな・・・$35のどっちか、かなあ。


Teddy Bears:Youtube集

色々あるが、今日は全く別な話題を。
フィル・スペクターが在籍したテディ・ベアーズの唯一なLP"Sing!"を久々に聴いていた。
スペクターの趣味はこのときから全く変わらない。50年代の大人向けポピュラー音楽を選んでる。唯一違うのは、顧客ターゲットを10代に絞ったところ。それとも当時は、この手のサウンドって子供も聴いてたの?コーデッツとか、もっと大人っぽい印象だが。

テディ・ベアーズはDoreから"会ったとたんにひと目ぼれ"を出したあと、Imperialに移る。契約の絡みもあり、LP"Sing!"以外にもシングルを何枚か出した。
また例によって、Youtubeでどのくらい聴けるかを検索してみた。

スペクターによる切ないメロディが心地良い。意外にどれも似たテイストだ。

To Know Him, Is To Love Him / Don't You Worry My Little Pet  (1958:Dore)

Oh Why / I Don't Need You Anymore  (1959:Imperial):LP収録曲

Don't Go Away / Seven Lonely Days  (1959:Imperial):LP収録曲
A面は無し。昔は有ったようだが、今は消されてる。

If You Only Knew (The Love I Have For You) / You Said Goodbye  (1959:Imperial)
https://www.youtube.com/watch?v=Ck2wind7dp4 :LP未収録だが06年再発時にボートラ収録。

Wonderful, Loveable You / Till You're Mine  (1959:Dore)
このB面も今は、Youtubeに見当たらず。