What's New

生まれて初めて、フルコーラスでリンダ・ロンシュタットの"What's New"(1983)を聴いた。 

今朝、ワーナーからのメルマガ見てたらリンダの"For Sentimental Reasons"が期間限定のi-tunes値引き販売の宣伝有り。「リンダをDLしたい人っているのか」とふむふむ思いつつ、紹介文読んでたら、初めて積極的に聴きたくなった。 

7/15でリンダは68歳。元はカントリー系の歌手でデビュー、"For Sentimental Reasons"(86)は"What's New"(83)、"Lush Life"(84)に続く、80年代のリンダ「ジャズ・3部作」の最終盤となる。 
音楽的な仕切りはネルソン・リドル。"What's New"ではバッキングに目を引くミュージシャンもいた。 
例えばオスカーと共演で名高いレイ・ブラウン(b)や、ジャズでも著名だがスペクターのセッションに参加でポップス・ファンの胸をくすぐるトミー・テデスコ(g)とか。 

と、もっともらしいことを書きつつも、リンダは全く興味無かった。むしろ僕の世代だと"What's New"って、ロマンティックさパロディ演出の代表曲、って感じじゃなかろうか。 
ドリフがクサいムーディを演出するとき、ぱっと照明が落ちてイントロで"What's New"がひとふし流れる。そんな定番の風景がイメージ浮かぶ。繰り返しギャグのお約束なほどに。 
従って80年代前半は中学生な自分にとり、リンダはむしろ仮想敵だった。スリルも先進性も無い保守本流の象徴だ、と。 

でもフルコーラス聴いて、リンダ(か、ネルソンの)狙いを、ようやく想像できる歳になった。チェット・ベイカーと同様にリンダは妙なフェイクやスキャットを入れない。あくまでポップ・ソングのアプローチでメロディを丁寧に歌う。 
リンダの歌はハイトーンまできっちり伸ばせるテクニックあるから、豪華さもより強調できた。 

すなわちターゲットは、ゴージャスでノスタルジックな気分を味わいたい世代。アメリカ映画に出てくるような暖炉の前でソファに座って、「50年代は良かったのう」と飲み物片手に寛ぐオッサンの風景の演出が、ターゲットだったのか、と。要するに「ノーフューチャー」な奴らでなく、そいつらへ顔をしかめる人たちに、最初から向けていた音楽になる。 

どっちかと言えば既にぼくは、当初ターゲットの位置に立ってしまってる。しかし改めて買う気には、まだならない。あと10年、待とう。まだまだ枯れないぜ。 
そもそもLPだと100円で転がってたはず。CDだと世代ズレてる分、むしろ見つけにくいかもな。 

Youtubeでアルバムのフル音源あるかと検索したら、意外なことに見つからない。超ヒットだったのに。でもこれこそが、「リンダのファンはYoutube見るような世代とは、ちょっと違う」って象徴なのかもな。 

ただ、こんなメドレーの映像設定はあった。BGMに聴いてるが、曲によってハイトーンのキンキン声が耳につく。BGMやAOR狙いだと寛ぎがいきなり中断されて戸惑う。ディナーショーだと、この伸びやかなシャウトは盛り上がると思うが。 
https://www.youtube.com/watch?v=NVCH_ylsaC0&list=RDNVCH_ylsaC0#t=4